アニメをっち

アニメの感想、持論などを好き勝手に書いております

アニメ「歌舞伎町シャーロック」について

 6話まで一通り観ているながら全く書いていなかった。

 どうもコナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』には思い入れがあるようで、何か引っ掛かりがあったんでしょうね。その辺りも含めて書き出します。

 

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©歌舞伎町シャーロック製作委員会

 

 まず、『歌舞伎町シャーロック』ってどんな作品?

 

──歌舞伎町に居る変人探偵たちの活躍を描いたもの。コナン・ドイル原作の『シャーロック・ホームズ』シリーズを元ネタにしている

 

 特徴を三点挙げてみます。

 

  • ホームズ
  • 変人揃い
  • 人情もの

 

 まずはホームズ、ですね。

 シャーロック・ホームズを元にした作品は結構あります。原作そのままをドラマ化したもの、映画化したもの。現代にホームズが生きていたら、という設定を元に描かれた『SHERLOCK』が現在では有名なところでしょうか。

 これらの作品は原作のホームズシリーズを忠実に、もしくはアレンジして作られているのに対して、この『歌舞伎町シャーロック』はあくまで元ネタにしている、と考えた方がいいです。

 某、体は子供な名探偵と同じぐらいに考えていいですね、それぐらい別物です。

 でもホームズ愛がない訳ではない。その辺りは後で書きます。

 

 次に変人揃い。

 出て来るキャラが無駄に濃いです、探偵もですが犯人も。これは歌舞伎町という場所柄そうしているんでしょうか。

 毎話、特徴的な職業の特徴的なキャラが事件に関わっている。ホスト・アイドル見習い・カリスマミュージシャン・バンドマン・力士にヤクザと。

 それでもそれぞれ愛嬌があるのがいいですね。愛情を持って描かれているからでしょうか。

 

 最後に人情もの。

 お涙頂戴とまでは言いませんが、妹の為であったり情に流されたり、その辺の描写が昭和的……といえば御幣があるかもしれませんが、ドライではなくウエットな感じ。エモいって言うんでしょうかね。

(人情ものに関しては『昭和元禄落語心中』について書きたいんですが、記憶があやふやになっているのでまた観る機会があれば是非とも書きたいところです)

 

  そういえば推理物も特徴の一つですね、入れ忘れてました。

 

 

 タイトルに「シャーロック」とありますが、主役の活躍は実はそれほど多くなかったりします。探偵長屋という場所に属する6人の探偵をメインとした群像劇と考える方が正しいのかも?

 でも原作のホームズシリーズに対する愛情がない訳でもなく、一話のホームズの捜査シーンは素晴らしかった。

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©歌舞伎町シャーロック製作委員会

 ホームズはかなりの現場主義です、(原作の)当時では余りされていなかったらしい血痕や物証を最重視する捜査をしていて、その為に地べたを這っ姿を見せるのもざらでした。

 その辺りの描写に加えて原作では何度か変装もしています。歩き方やクセを真似るという役者の才能も持ち合わせていて、この作品でも一度変装をしたエピソードがあったのが嬉しかったです。

 見た目で職業を当てるというのもホームズの十八番です。現在はほとんどの人がスーツや作業着で仕事をしているのでこの推理は難しいんですが、それでもしっかり描かれていました。

 そして忘れてはならない2話の『赤毛連盟』パロディーですね。このエピソードは原作でも品を変えた同トリックで二度か三度ほど使われていました。

 

 

 だからこそ引っ掛かった点。

 ホームズは事件が解決するまでほとんど食事をしません、胃腸に脳を使うのが嫌という理由だったと思います。それがこの作品では味覚音痴キャラとして事件中でも食事をしています。

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©歌舞伎町シャーロック製作委員会

 それとモリアーティですが、どうしてこんなに知名度が高いのか……。

 原作では一話か二話ぐらいしか登場してないんですよね、名前だけ一人走りしている気がします。それならマイクロフト(ホームズの兄)を出せよ、と。

 

 他にもまだモヤモヤしてはいますが、思い出せないので大した事ではないんでしょう。

 ともかく、この作品に原作愛がない訳ではないが、それほど忠実に描くつもりもない。モチーフとして選んだだけで本質は別にある、と考えた方が良さそうです。

 

 ちなみに謎解きやトリックの良し悪しについては管轄外なので分かりません。でも6話を観る限りそこを特にそこを頑張りたい感じでもなかったですね。謎解き要素すらなかったので。

 なので恐らく、このアニメが描こうとしているのは少し時代遅れと言われる人たちによる人情劇。これなのだろうと思います。

 そしてそれは物悲しく、どこか滑稽な話であったりもします。

 

 だからメインはワトソンの持ち込んだ事件とホームズの過去、落語家になれなかった辺りの話。更に切り裂きジャックとそれらの事件にモリアーティがどう絡んでくるか、とまだまだ楽しめる要素はありそうです。

 

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©歌舞伎町シャーロック製作委員会

 

 最後に蛇足ですが、ホームズのやっているのは落語って言っていいんでしょうかね? 落語って元になるネタや話があってそれをアレンジしたり解釈を変えてやるものだと思うんですが。ホームズのやってる事って漫談? 落語調のフリートーク? あれも普通に落語と言うんでしょうか?

 どうも専門外なので分かりませんが、少し疑問に思ったので。