アニメの主人公が家庭教師な理由
タイトルの通り、主人公が家庭教師のアニメがたまたま続いたのでそれについての個人的な考察になります。
といってもそんな設定のアニメってほとんど無くて、現在放送中の『ぼくたちは勉強ができない』(以降、『ぼく勉』)の二期と、少し前に放送した『五等分の花嫁』(以降、『五等分』)がたまたま家庭教師だったので、それについてちょっと考えてみようというだけです。
他にも検索して出て来た『家庭教師ヒットマンREBORN!』と『王室教師ハイネ』ですが、これらについては全く触れて来なかったので言及しません。というか出来ません。
(ちなみに主人公が家庭教師の理由については記事の最後にまとめてあるので、文章を読むのが面倒な方はスクロールして貰って結構です)
まずこの二つの作品、『ぼく勉』と『五等分』の共通点を挙げてみます。
学生・勉強が出来る・家が貧乏・男主人公で何人かの女子に勉強を教える、等。他にもあるかもしれませんがザッとこんな感じ。
いわゆるハーレムものですね。家庭教師=ハーレムという訳ではないんですが、何人かに教える必要があってそうなっている。という設定。
そして家が貧乏である。これに関しては動機付けだと思います。同級生に勉強を教えるんですが、仲のいい相手ではない。
普通なら大学生の家庭教師を雇うんでしょうけど、それをラブコメで描くと今は色々問題がありそうですね。同じ理由で教師も厳しくなってるのかもしれません(金八先生・GTOラインはOK)。
だから同級生に勉強を教えさせるんだけれど、無理やりよりも何か動機があった方がいい。
こんな感じでしょうか?
子供の貧困も問題にはなっていますが、それほどシリアスに描かれているとは感じないので。
つまり関係性が個人的なものではないんですね、公的というかお願いされて、もしくは金の為という関係になります。あくまで恋愛目的で近付いていない。
そういう私的ではない関係なんですが、当然個人的な感情も入ってきます。これは男女という関係ならある程度仕方がないと言えるでしょう。特に歳も近いし高校生男子です。
はい、言っちゃなんですけどほとんど獣です(個人的な経験談)。なのでそういう私的な感情と家庭教師としての役割の中で揺れる事になります。
そして勉強を教えるので当然、二人の協力関係が必要となります。一定時間だけ教えればいいというサラリーマン的なものではなく、恐らく目標が設定されているはずです。その目標の為に一緒に頑張る。
この協力関係というのは大きいんじゃないかと思われます。
更に今さっき言いましたが目標ですね。ちゃんとしたゴールがある、これも大事です。その数値に近付いたり離れたり、その原因を取り除いたりして二人の関係が深まって行く。
まぁゴールがあるという事は終わりもある、という意味でもあるんですが。
もう少しこの目標にこだわってみます。昨今のハーレムものは主に恋愛対象を落すのが一つのゴールになっています。それは精神的に助けるパターンが多いんですが、主に家庭の問題であったり過去のトラウマであったりと、色々です。
その為には恋愛対象の家庭のゴタゴタや過去のトラウマを描く必要がある。それがこの共通の目標があればそれらのゴタゴタを描かなくていいんじゃないか?
と思ったんですが。『ぼく勉』も『五等分』もちゃんと描かれてましたね。『ぼく勉』は観てなかったんですが、この記事の為に二期の10話を観たらモロにそういう回でした。
別にそういうゴタゴタやトラウマを描くな、という訳ではないです。でも最近は、少し重い事情がアニメや漫画内で出て来ると引いてしまう子が多いらしいので、そういう配慮がされているのかなと勝手に思っただけです。
ゴールがある『toLOVEる』と言ったら分かりやすいでしょうか。とりあえずドタバタがあってラッキースケベをやるんじゃなく、適度なドラマがありつつラブコメするような。
そんな作品も面白そうな気はしますね。別に『toLOVEる』をディスってる訳じゃないですが。
では、ここまでに挙げた理由をザッとまとめます。
- 恋愛が目的ではない関係
- 役割はあるけど心は動く
- 協力関係が必須
- 共通のゴールがある
- ヒロインの過去を描く必要がない(?)
5に関しては違いましたが、今後そうなっていく可能性も皆無ではないですね。実際、異世界ものでは助けて即ハーレムですから。
欲望のみに忠実に描くとああなるんですよね、よりお手軽に手に入れたいという。
さて、こうしてみると家庭教師というのも中々面白い立ち位置なのかもしれないです。ハーレム状態になっているし、共同作業で喜怒哀楽を共有する。距離が近付くキッカケも山ほどあるでしょう。
今後もこの設定が使われるのかは分かりませんが、これからもラブコメ・もしくはハーレムものの手口は巧妙化していく(もしくはネタ化)と思われます。
あ、ちなみにこれらの理由が全てだとは思っていないので、面白そうだと思った方は考えてみてはいかがでしょうか。