ヒカキンの魅力とは? ドラえもんから両さん、そしてヒカキンへ
まず、この記事を書いている人間はヒカキンの事をほとんど知らない。過去にこの人がニコ生でヒューマンビートボックスをやっていて、その実力がかなりのものだと感じたぐらいだ(ヒューマンビートボックスに関しても特に詳しくはないが)。
その程度の知識しかないが、ヒカキンという人が人気を得た要素の一端は説明できると思う。むしろ魅力が分からない人向けの記事だと思うので、ファンの方が読むとガッカリするかもしれない。
以下の三人に共通した事がある、それは何だろう?
答はガジェット(道具)を与えてくれる人、教えてくれる人だ。これだけで理解した人はここから先の文章を読む必要はない。
ここからそれぞれの説明に入る。
まずドラえもんだが、その道具が持つ魅力を知らない人間は日本に居ないだろう。のび太君に何かあると渡してくれるひみつ道具だ。
その背景には科学技術に対する信頼や夢がある。だが忘れてはいけないのはその後、のび太君がどうなるかの顛末だが。それに関しては以下の記事に任せる。
次に『こち亀』(『こちら葛飾区亀有公園前派出所』)の両津勘吉こと両さんだ。
序盤は路線がかなり違っていたが、作者の影響であろうマニアックな知識や情報を解説する漫画として長く親しまれていたと思う。アニメはそうでもなかったが。
両さんは大人でありながら(しかも警察官!)、子供に勉強以外の学びを与えてくれる貴重な存在だった。残念ながら連載は2016年で終わっているが、その後もたまに活動されているようだ。
そしてヒカキンの説明に入る。
そこで2011年から商品紹介を始めて、ビートボックスだけじゃない、ブロガー的なユーチューバーを目指しました。
ヒューマンビートボックスの路線から次に行ったのがこの路線だったようだ。
これが子供たちを中心にヒットする。その理由はここまでの文脈を理解して貰えれば分かると思うが、商品やガジェットの解説だ。
知らない物を教えてくれるお兄さん、それを使って子供のように遊んでいるお兄さん。なんならその商品を通販やコンビニで買う事も出来る。
それがヒカキンのヒットした理由であり魅力だったのではないか?
新しい商品、それは食べ物からオモチャ・ガジェットまで色々と解説してくれるお兄さんのような存在。それはドラえもんや両さんがやっていた事を引き継ぐものであった。
ヒカキンという人がその事にどこまで自覚的であったかは分からない、それでも彼が選ばれた原因の一端はここにあったのではないかと思う。
当然ではあるが、これはあくまで個人的な解釈だ。異論も指摘も受け付けるが、一理でもあると感じて貰えればそれでいい。
実際この理論に気付いたのはヒカキンの動画ではなくその兄のセイキンの動画だったという事実も付け加えておく。どれだけヒカキンのこと知らないんだよ、っていう。
ここから先はヒカキンの魅力とは関係がない。それでも読むという奇特な方に向けて書く。
なぜ新しいガジェットはワクワクするのか?
道具というのは人にとって手足の延長である。アクションゲームをすれば分かると思うが、そこには新しい手足がある。自分の操作で自分以上の動きをこなすキャラクター、操作を組み合わせる楽しみ。これらは手足の拡張であり脳の拡張であるとも言える。
なぜこれらの行為に人の脳が快楽を覚えるのかは謎だが、この快楽がある以上、人がゲームを手放す事はないだろう。
道具は人に新しい手足を与える、そして新しい手足は新しい身体感覚を与え、そこに新しい関係性を見出させる。
新しいずくめだが、それがいい。子供は刺激に飢えている、新しい世界に、体験に、喜びに。
ついでに言うと、大人だってこういう刺激に飢えているのだ。子供ほど顕著ではないが。
ただ付け加えるとすれば、それが自分の生活に危害を及ぼすようなものでない限りは、だ。AIなんかは自分たちの仕事を奪うかもしれないものだから手放しに喜べないんだと思う。
でも、子供にとっては胸が踊るような楽しいファンタジーなんだろうなと思うのだ。