アニメをっち

アニメの感想、持論などを好き勝手に書いております

アニメ「旗揚!けものみち」を観終わって

  最後まで観終わったので書いておこうと思います。

f:id:woti-samurai:20200104064935j:plain

©2019 暁なつめまったくモー助/夢唄/KADOKAWA/けものみち製作委員会

  一話を観た段階では一番期待した作品でした。でもその後に書いた記事は一つだけ、もっと書いたと思ってた……。

 面白くないという訳ではないんですが、そこまで琴線に触れるものがなかった。その原因も含めて書いていきたいと思います。

 

 

 

 

期待した点

 一番期待したのはやはり主人公です、非常に独善的な人物ですね。主人公キャラというのは読者や視聴者の代表であり、基本的に主体性がなく流されやすい人物に設定されがちです(スポーツものでも最初はフラフラしている事が多い)。

 でもこの作品の主人公は違った、しっかりした目的があってその目的の為には誰であろうとぶっ倒すというクレイジーさがあった。

 これは昨今の異世界ものでもかなり異端な要素ではないでしょうか(と思ったら『本好きの下克上』もそうだった)。

なのでこの主人公は次に一体何をしてくれるんだろう、と勝手に期待してしまった訳です。

 

 しかし毎話繰り返されたのは目の前のモンスター(獣?)とダラダラ戯れる主人公の姿……。この辺りは前の記事に書きました。溢れ出るニート感、これです。

woti-samurai.hatenablog.com

 

『このすば』との比較

 原作者が同じという事でどうしても比較されてしまいます。それぐらい『この素晴らしい世界に祝福を!』(以降、『このすば』)のインパクトが凄かったというのもあるでしょう。個人的にはそれまでの異世界もののイメージを覆すだけのパワーが『このすば』にはありました。

 期待値が上がったのはこれも一つの要因だと思います。次は何をしでかしてくれるんだろう? そんな思いで観ていたのは自分一人ではなかったと思います(多分)。

 

 これも前の記事に書いているんですが、この作者さんの特徴の一つとしてキャラの暴走があります。キャラがそれぞれハッキリした動機(欲望)を持っていて何かのキッカケでそれが暴走する。そして周囲のキャラが巻き込まれる。

 動機がハッキリしている分ワンパターンになりがちなんですが、それが順番に回っていたりキャラ同士の妙な化学反応を起こしたりと『このすば』の時は非常に楽しませて貰った記憶があります。

 しかし、残念ながら今作ではそれが余り見られなかった。暴走するのは主に主人公で周囲も好きにやってるだけ、そこまでバリエーションがあったようには思えなかった。

 あ、個人の感想です。

 

キャラクター止まりということ

 この作者さんはサブキャラがいいんですよね。チラッと出て来るだけのキャラやたまに現れるキャラが活きている。

 奥さんの下りは毎回笑わせて貰いました。思い出すだけでニヤけて来る。

f:id:woti-samurai:20200104171831p:plain

©2019 暁なつめまったくモー助/夢唄/KADOKAWA/けものみち製作委員会

 作品において第三者というのはその世界観を表すのに重要な役割を持っています。でもこの説明は長くなるのでカット──。

 

 ただ、主要キャラとサブキャラの存在感が良くも悪くも同じぐらいなんです。いつも○○をしているキャラ、毎回同じ感じで裏切らないキャラ。

 深みがない、と言うといまいち説明になってないですね。

 例えば主人公はなぜケモノが好きなのか? ケモノに嫌われた事はないのか? ケモノと同じぐらい大事なもの(例えば仲間)のどちらかを選ばなければならないくなったらどうするのか? 等。

 キャラクターに葛藤がないんです、ツーと言えばカーと返すだけの存在になっている。それが何かもったいなく感じてしまう。勿論それをしたら受けなくなる可能性もあるんですが。

 

 皮肉にもその辺りが一番描かれていたのはMAOという最後に戦ったプロレスラーだと思っています。主人公と戦いたい・倒したいという思いが強くなり過ぎて編み物で主人公の顔を編んでしまうという、何ともイビツな部分まで描かれてました。

 でもこのMAOというキャラってアニオリなんですよね。

けものみち (漫画) - Wikipedia

 

 お祭り感

 それでもいいなぁと思えるのは、そんな風に色んなキャラが集まって一緒にワイワイやってる、そんなお祭り感です。

 今作ではプロレスの大会が行われていましたね、あの盛り上がりは一緒に混ざりたいと思えるような、非常に好きな場面でした。

 何気に高橋留美子の系譜を感じたんですが、これは多分意識的ではないでしょうね。お祭り大好きという日本人的な気質だと思われます。

 まぁ『犬夜叉』から入った若い方には理解して貰えないと思いますが(『うる星』と『らんま』観ろ! よ!!)。

 

異世界要素という間違い

 最近はファンタジー異世界ものが流行ってますね。なので要素としてエルフやドワーフ・魔法を出すという作品がいくらか見られます。でも必ずしもファンタジー要素が受けている訳ではないと思っています。

 

 異世界というのは生き直しです。現世で出来なかった(もしくは出来ない)ことを死んで別の世界へ行ってする、という。

 つまりこの世界で叶わない事をやり尽くしてやろうという欲望と願望を集めたのが異世界ものなんだと思ってます。

(まぁ『ハリーポッター』のヒットもあったのでファンタジーブームが無い、とは言い切れませんが)

 そしてその世界がゲーム的であるというのも偶然ではないでしょう。原風景として親の支配から逃れて楽しめるゲームの世界というのが現代人の心の中には存在していると思うので。

 

 そういう意味でこの作品は、それほど欲望的ではないですが、それでもこんな世界で生きたい・一緒に騒ぎたいと思えるには十分なパワーがあったと思います。少々ニート的ではありますが。

 

総論

 

  前の記事に書いた通り、原作者さんは頭のいい方だと思います。恐らくこの作品の二期はないと思うんですが(予想はかなり外れます)、数年後にまたアニメ化されるような作品が出て来ると勝手に思ってます(予想はかなり以下略)。

 

 個人的にはエロやバトルものより、こういう色んな連中がワチャワチャしてお祭り的な作品が増えると嬉しいんですが。どうなんでしょうね。

 ああ、でも、もしこの作品の二期があったら観るだろうなーとは思います。

 

 

 

 最後に、ほとんとキャプチャしてなかったので貼りたいところで画像が貼れなかった。文字ばかりになってすいません。