アニメ「ID: INVADED イド:インヴェイデッド」1話を普通に観る
頭の中で考察も進んではいるんですが、とりあえず物語としてこの作品を味わっていこうと思います。
冒頭から
最初の意味
初っ端のカット、何やらデジタルな絵です。この中でどんどん入って行きます。
すると何やら細胞めいた物が。
恐らくこれは「ミヅハノメ」という装置を使って人の精神の中に入って行く映像でしょう。脳も電気信号によって情報を伝達しているらしいので、それを使って意識の奥へと向かう、とかそんな意味だと思います。
主人公のクセ?
そして目覚めた主人公が最初にしたのは右手を上げる事でした。これは2話まで観ていれば気付くかもしれませんが、事件後に主人公がベッドの上で行う行為と同じです。
でもこれに意味があるのかは分かりません。
見せ方の匠さ
そしてその腕がバラバラになり悲鳴を上げます。トレーラーにあったシーンですね。
これは痛みを感じたというより、脳が拒否反応を示したと考えるべきでしょう。いきなり体がバラバラになったら思わず痛いと感じてしまう、そんな感覚だと思われます。
そして混乱した主人公は自問自答をする、でも記憶はありません。
思わず「くそっ!」と壁を叩く、その行為によって主人公は気付きます。痛みがないこと、そしてバラバラになっても手は思った通りに動くという事に。
見事な描写ですね。思わず取った行動から音や手の感覚(?)を自覚して我に返る、そんな流れになってます。
そこから体のパーツをつなぎ合せ、このバラバラになった世界を見る。足を一歩踏み出すと足元が崩れて落ちるんですが、片手で何とか這い上がります。
(つかんでいるようには見えない……)
這い上がった主人公は言います。
「完璧に理解した」
この一連の描写はこの世界の説明なんですが、それを言葉でするのではなく主人公に体験させる事で説明する、という描き方です。
体はバラバラなのに自由に動かせてしかも離れない、というのが分かりますね。
シナリオの一つのテクニックです、こうやって見せた方が面白いという。でもほとんどの視聴者には余り意味がないかもしれませんね。
(ただ足元が崩れるのはこのシーンのみです、それなら足を踏み外すぐらいで良かったんじゃないか? とは思います)
カエルちゃんさん
そしてカエルちゃん発見。
片目が隠れてますが、これはここの世界のみのこと。2話のドリル世界では両目がありました。その理由は視聴済みの方なら分かりますね。
そして何やら思い出した主人公がお約束となりそうな台詞を吐きます。この辺りについては考察でまた触れます(明日か明後日)。
「蔵」内部
「蔵」と呼ばれる組織の一室。この中がどうやらイドの世界らしいです、かなり俯瞰ですね。
「とうとう寝室からの落下を生き延びたか」
室長の最初の台詞がこれ。じゃあ、既に何回か死んでるんだ……。まぁ精神的にでしょうけど。
名探偵酒井戸が、カエルの死の謎を解くまでが勝負だ
これも考察行きの台詞ですね。
「蔵」の情報量
主人公が別の部屋に入って蔵の内部がざわつきます。あれこれと情報を解析します。
一つ気になってるのは、「蔵」の情報は主人公が見た映像を通して得ているのか、それともさっきのように俯瞰しているのか……? 恐らく前者でしょうが、その一人称の映像は流れないのかな?
それと、今後も出て来ますが「蔵」の情報量が恐ろしいですね。ここではAIによる画像解析でしょうか、写真一枚で人を特定するという技術です、他にも建物の内部構造で家を特定するという事もされています(2話)。
そしてここで言われるのがやっかいな説明。このイドの世界は無意識の反映だから何でもあり、という……。細かなツッコミはするなよ! と言われているようです(気のせい?)。
行方不明者が「二人」……?
キャプチャの為に見直して気付いたんですが、主人公がバラバラの家族(アナカキの被害者)と出会います。
そこに居る五人は既に被害に会った人物で、残りの二人は捜索願が出ている、と。つまり二人はまだ見つかっていないみたいですが、この後に出た被害者って一人(+想定外の一人)でしたよね。じゃあもう一人は……?
3話の冒頭でサラッと遺体が発見されました、とか言われそうですが、どうなんでしょう。
無意識に隠された情報
「蔵」のスタッフがガラスに反射した顔に気付きます。これがジョン・ウォーカー、らしいですが置いといて。
2話でも反射したもので場所の特定がされていました、このイドという世界では情報がこんな形でも手に入るようです。
はい、一応突っ込んでおきます。誰が分かんねん!
アクション要素?
何かに気付いた主人公がバラバラの世界をつなぎ合わせます。急なアクションシーンですが曲も相まって気持ちがいい。監督さん、アクションがしたかったんじゃないの?
そんなスタイリッシュなシーンの後でこの映像。これはちょっと笑ってしまう。
でもこの情報から事件は一気に進展。
被害者らしき男
ベテラン刑事が独断で犯人らしき人物の家へ侵入、すると悲鳴がした後で人が倒れています。でもしっかり映さないんですよね、
こういうアングルが上手いというかズルい!
恐らく前情報を得ている人にもこれが犯人だと分からないようにする為でしょう。
一話のラスト
謎は全て解けた! とは言ってませんが、主人公が犯人を見つけます。
隠れていた片目はこの犯人のものだったようです。しかしまぁ、トリックっていうんでしょうかこれ。設定からぶっ飛んでいて訳が分からないよ/人◕◡◡◕人\
犯人特定の後、動かない主人公の背後にスッと女の子が歩いて来ます。ここでゾクッとしました。
お前は裏切り者だったのか!? と思ってしまったんですが、完全な見当違い。1話2話同時上映で良かった……。
まとめ
とりあえず早足で振り返ってみましたが、やっぱり序盤のシーンは見事でした。シナリオ的ではあるんですが、ゼロから情報を作れる小説的でもあり、しかし荒唐無けいな映像も出せるというこの表現はかなり熟練したものだと思います。
(小説的、というのは自分が誰かという情報も出さずに進める事が出来る小説独自の手法です)
それとどうしても気になるのが、前情報なしで観た人にどこまで分かったか? ですね。ニコ動のコメントを見るとそれなりの脱落者は出してそうですが、おおむね好意的に感じました。
個人的にも楽しんでいるので、しばらくは他のアニメは放っておいてこれに専念しようかなと思ってます。
しっかし、かなり独特のアニメですねー。