アニメをっち

アニメの感想、持論などを好き勝手に書いております

アニメ「ID: INVADED イド:インヴェイデッド」構成について

 4話が終わり、エピソード的には三つの話を終えた事になります。今の段階でこの作品の構成について語ってみようと思います。

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(C)IDDU (C)2019「イド:インヴェイデッド」製作委員会

 

構成

1話完結型

 1・2話が一つのエピソードになっていて連続して放送され、それ以外は一話一エピソード。これは恐らくアニメの放送が一週間に一度なので、回をまたいでしまうとそれまでの情報を忘れてしまう。その為の配慮だと思います。

 過去にも色々な推理物のアニメがあり、回をまいで一つのエピソードを描く物もそれなりにありました。それらの全てが失敗という訳ではなかったですが、1話完結の方が観やすかったのは確かです(個人的感想)。

 回をまたぐものでも視聴者に謎を突き付ける・推理をさせるという作品もあり、それはそれで悪くなかったんですが、この作品では推理よりも1話完結のエンタメが意識されているように感じます。

 

3話以降の構成

 基本的に、前話の続きや回収→今回の事件→新たな謎や展開(引き)、という形で構成されています。

 引きに関してはただ驚かせるものだけではなく、主人公の新たな側面が垣間見られたり今後の展開を期待させるものだったりと、非常に巧みな手段が取られています。

 例、主人公が家族らしき写真を見る。主人公の自殺誘導

 (残念ながら取って付けたようなビックリ要素で次の回へ引っ張ろうとする作品は結構あります)

 

 事件の前後にそういったエピソードや設定の説明が入る為、情報過多になっているのは否めません。それがエンタメとして楽しめる人と、疲れるから観ないという人に分けてしまうのも仕方がないと言えるでしょう。

 

 中心になっている事件解決ですが、前後のエピソードで五分以上、下手したら十分以上取ってしまうので実は余り時間がなかったりします。それでもその時間内で単調ではない事件解決への手順がしっかり描かれているのはお見事としか言いようがありません。

 ほんとに作家の人が脚本書いたの? と思ってしまうぐらいです。

 

 何度も言いますが、それでも情報過多なのは間違いない。普通に観ていたら見逃してしまう情報が多く、しかもそれが繰り返されない為に途中で展開に取り残される人が出て来る可能性があります。

(今後、重要な情報が連呼されるかもしれませんが)

 

全体の起承転結

 3話の段階で一応、一つの型は出来たと思っています。3話・4話は構造的に変化がない。なので問題はここからです、ここからどうパターンを崩して来るのか? それが個人的には気になって仕方がない。

 このまま主人公の過去とジョン・ウォーカー、もしくはミヅハノメに関する謎が解かれて綺麗に終わるのか。それともそれ以上の何か大事件へと発展して主人公もそれに巻き込まれるのか。現段階ではどちらの可能性もあり得ます。

 

 もし今のテンプレートが9話・10話まで続けば綺麗に終わるパターンだと思われます。今までの謎を回収して大団円、そんな終わり方も悪くない。

 ただ、これが6話・7話で変わって来るともう一波乱あると考えていいでしょう。個人的にはこっちが楽しみ。

 

邪推

 ここからはただの邪推です。妄想・妄言の類です。

 

ハッピーエンドはありえるか?

 今のところそれらしいものは見えて来ません、主人公に救いがなさ過ぎる。

 4話で少しそんな要素が出て来ました、元警官であること・娘のような存在を救いたいという感情が残っていること。では、それらによって主人公は真人間に戻る事が出来るのか……?

 

 でも娘は既に死んでいるし、真人間に戻ったらイドに潜れなくなるのでは? という疑問もあります。主人公の設定上、ハッピーエンドが見えて来ないんですよね。

 可能性があるとしたらカエルちゃんの存在です、カエルちゃんが主人公にとって何が絶対的な存在になる・もしくはそうだった。というもの。

 

 なので今の段階でラストの方向性を考えると、

  • 自殺エンド(or燃え尽きる)
  • カエルちゃんとハッピーエンド
  • とんでもない事が起こって引っ掻き回される

 この三つになると思われます。

 

(一応ですが、これらの予想は高確率で外します。それを前提にお願いします)

 

舞城王太郎の別作品を読んで

(ここから最後まで中身のない駄文になってます。読む必要はないです)

 

 読書量はそれほど多くないんですが、定期的に図書館に通う習慣を持っているのでいくつか借りて読んでみました。

 アニメ放送前に読んでいたのはこちら、

 

ディスコ探偵水曜日(上)(新潮文庫)

ディスコ探偵水曜日(上)(新潮文庫)

 

  そして忘れてただけで実は読んでいたのがこちら。

 

ビッチマグネット(新潮文庫)

ビッチマグネット(新潮文庫)

 

 

 (『キミトピア』と『山ん中の獅見朋成雄』も読んでたかもしれない)

   このアニメを読み解く為に読んだのが以下の二冊。

 

淵の王(新潮文庫)

淵の王(新潮文庫)

 
世界は密室でできている。 (講談社文庫)

世界は密室でできている。 (講談社文庫)

 

  何かしら作者さんの傾向が読み取れればいいと思って読んだんですが、結論を言うと全く分からなかった。

 

 でも、くっそ面白いぞこれ! 特に『淵の王』は久々にむさぼるように読んだ。カフカの『変身』ばりに活字に飲み込まれるようにして読んだ。この読書体験は久々に味わえて嬉しい。

 純文学風に物語は進むんだけれど、語り手が誰か分からない。いわゆる「叙述トリック」というやつで、しかも中盤からホラーになるという予想外の展開。

 まぁ。全てが分かって解決する話ではないんですけどね。

 

叙述トリックとは (ジョジュツトリックとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

(このリンク先の「実例」が分かりやすく面白いです)

 

『世界は密室でできている』の方は推理+青春エンタメで、ほんとに綺麗に終わってました。キャラの濃さと思春期の青臭さが見事に書き出されていて、そういうのが苦手な人には嫌悪感があるかもしれないですが。

 

 

 とまぁ、何かヒントを求めて読んできたんですが、結果として単に読書を楽しんだだけという、良いか悪いか分からない結果になってしまった。

 ニコ動のコメントで「舞城ぽい」とか「舞城節」みたいなのがたまに流れるんですが、それが何を意味しているのか全く分からず仕舞い。読む本間違えた?

 

 何がいいかと検索していたらこんなページを発見。

honcierge.jp

 

 この中で探偵ものと言ったら『九十九十九』しかないので読んでみようかと思うんですが、説明を読むだけで頭がクラクラして来ます。

 とりあえず次は『九十九十九』を読むぞ! と書置き代わりにここに残して、この無駄な文章を終わりたいと思います。

 はい、中身ないっす。