アニメをっち

アニメの感想、持論などを好き勝手に書いております

創作アイデアの盗み方 基本編

 アイデアはオリジナリティが大事だと一般的には言われると思いますが、物語は起承転結(もしくは序破急)で出来ており、人の関心が無制限でない以上、物語の要素は既に出尽くしていると言っても過言ではありません。

 創作の基本は模倣である。誰かのアイデアを自分なりに書く事が創作の基礎なので、まずは恐れずに好きな作品を真似ること。大事なのはオリジナリティよりまずは自分の手で書く事だと思います。

 

 それでも心ない人に「パクリだ!」と言われるのが嫌だ、もしくはそう言われて傷ついている、他にも何を書けばいいか迷っている、という方に向けてアイデアの盗み方について書いてみたいと思います。

 

f:id:woti-samurai:20200209151505j:plain

 

 

三つの方法

パッケージを変える

 まずは一番簡単な方法から行きます。パッケージ、もしくはジャンルを変える方法です。

 元になる作品が現代劇なら時代劇にする、もしくはSFや近未来・ファンタジーにする。それに当たって中心となるモチーフ(物や敵等)を変える事が重要です。そうする事で見た目や第一印象が変わって来るので、アイデアを盗んでいても余り気付く人が出て来ません。

  他にも超能力ものなら魔法にする、心霊的な妖力にしてもいいし、SFにしてガジェットの力に変えてもいい。とにかく見栄えを変えるのが一番重要です。

 

 『まどマギ』がヒットした後にいくつもの魔法少女ものが世に出ました。それらの作品は魔法少女が戦い合うといった要素が多かったと思うんですが、実は『まどマギ』にはそれほどバトルシーンがありません。どちらかというと日常生活や主要人物の願望や不安に焦点が当てられていたと思います。

 それでもパッケージ(見た目)が同じなのでそれらの作品は全て『まどマギ』のパクリ作品と言われました。

 

 これに対して『WIXOSS -ウィクロス-』という作品があります。救いのないシステム、強いられた戦い、少女たちの絶望といった要素を持ちながら、この作品のジャンルはカードゲームでした。

 『ウィクロス』も前述の魔法少女ものと同等かそれ以上に『まどマギ』の要素を持っていたにも関わらず、この作品がパクリだと指摘する人間は少数でした。

 

 

 人は第一印象で物を見ます、そしてある程度精通した人でないとそれが本当にパクリなのかは分からない。なのでアイデアを盗む一番簡単な方法はジャンル(もしくは見た目)を変える事です。

 しかし、当然ですがいきなり自分の知らないジャンルに持って行っても書けるとは思いません。なので自分が詳しいジャンルをある程度把握しておく必要があります。

  盗む作品と全く同じ事をするのではなく、ジャンルを変える事で扱うモチーフは変化します。その事に注意しながら書くと自ずとオリジナリティも上がると思います。

 

特徴を盗む

  二つ目の方法はこれです、作品の特徴的な部分を盗む。その為には当然ですが分析が必要になります。

  • その作品がどんな作品か?
  • 他とはどんな点が違うのか?
  • それはどのように表現されているか? 

  これらの事を意識して分析し、その要素を自分の作品に活かすという方法です。

  一つ具体例を出してみたいと思います。

 

woti-samurai.hatenablog.com

 これは以前に書いた記事ですが、この作品についての特徴を三つ挙げてあります。

 この中でも最も特徴的だと思われる「萌え+チート」に焦点を当てて考えてみたいと思います。

 うっかり力を手に入れてしまった、俺TUEEできるだけの力があるのにドヤらない。そんな主人公にするとして、これをどんなジャンルに持って行くか?

 

 仮に現代劇や日常系に持ち込んでみると……。

  瞬間記憶能力を持った主人公が巻き込まれてクイズ大会に出場したり停電によって電力のなくなった社会で大活躍する。でも主人公は自分の能力を鼻にかけておらず、注目されるよりのんびり過ごしたいと思っている。

 SFだと、親の発明や体質的な理由でたまたま使用可能な超技術をご近所さんや友達の為だけに姿を隠してコッソリ使う主人公、なんてのも面白そう。

 

 あくまでこれは一例です。この方法を使えばアイデアだけならいくらでも出せると思います。定期的にこのブログでもいくつかの作品を取り上げてその特徴とアイデアの盗み方の記事を連載していく予定です。

 

好きな部分だけ拾う

 三つ目です、これに関してはアイデアの流用ではなくそのままです。好きなキャラクター、人間関係、一部の設定等を一切改変せずにそのまま貰います。そしてそれを異なった設定や状況で使う、そんな方法です。

 キャラクターの流用に関してはそれほどパクリとは言われないでしょう。今はキャラがテンプレート化しているので、むしろオリジナリティを出す方が難しいかもしれない。

 

 問題は他の点です。設定をそのまま流用するとパクリと言われるでしょう、これも時代設定やジャンルを変えて使った方が無難です。台詞の流用も気をつけた方がいい。

 何かのキャラクターが好きなら台詞はそのまま使用せず、自分の中で温めてから使った方がいい。人間関係なら掛け合いの台詞をそのまま使うとパクリになってしまうので、そう思われないところまで温める。

 より自分好みにする、と考えた方がいいのかもしれません。

 

 自分の好きな設定に好きなキャラクターや関係性を持ち込んで作品を作る。そんなツギハギな方法で生まれた作品でも歴史に残るようなものがあります。ご存知の方には今更ですが『エヴァンゲリオン』ですね。

 まぁ作品のヒットに関わらず、自分の好きなものを書くのが一番大事な事だと思われます。

 

 

学ぶ為に盗む

 ここまでアイデアを盗む方法について書いて来ましたが、どうせ盗むならしっかりと盗みましょう。表面的な部分だけでなく、元になった作品のメッセージや技工も。

 なので、好きな作品は何度も繰り返し目を通す、そして話の展開のさせ方やキャラクターの深め方、更に人間関係の作り方まで様々な事柄を盗んで欲しいと思います。

 

 創作の基本は模倣です。では何のために模倣するのか? それは当然、学ぶ為です。この基本を忘れずにいて貰いたいと思います(そう書いてる本人が良く忘れます)。

 

 

 では、次回からは具体的な作品を元に、アイデアの盗み方を書いていきたいと思います(不定期更新)。