アニメをっち

アニメの感想、持論などを好き勝手に書いております

アニメ「約束のネバーランド」について今頃語る

 放送時に観たかったんですが観れる環境がなく、最近dアニメストアに加入したお陰でようやく視聴可能になりました。

 ちなみに二期は一応決定しているらしいです。予定の変更がなければ2020年10月から。原作はまだ続いています。

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©白井カイウ出水ぽすか集英社約束のネバーランド製作委員会

 

 特徴を三つ

 この作品の特徴的だと思われる部分を三つ挙げてみます。

 

日常の崩壊

 いつも通り・当たり前だと思っていた日常がいきなり崩壊します。自分たちが生きていたのには目的があった、それは自分たちの目的ではなく生かされて飼われていただけだった。というのが1話の最後に明かされます。

(ネタバレを避ける為に少々回りくどい言い方になってます)

 

 『がっこうぐらし!』という作品の1話と似た構造になっています。日常生活らしきものを描いておいて、最後にそれが偽りだったと分かる。

 だからこの作品も「新日常系」と言われるジャンルなのかと思ったんですが、調べたらダークファンタジーになっていました。まぁ確かにファンタジーの要素は入っていますが、この辺りの定義については良く分かりません。

 

読み合い、探り合い

 その事実を知ってから主人公たちの情報収集が始まります。なぜこんな事になっているのか? 今までの事にはどんな意味があったのか? それまで信用していた人が自分たちの敵となり、腹の探り合い・騙し合いが始まります。

 いきなり敵となった存在が何を考えているか分からない。そしてその人の前で今まで通りを演じなければいけない。これはかなり恐怖なんですが、今まで当たり前だと思っていた世界について新しく知って行く・再構築するというのには多少の快楽を感じました(個人の感想)。

 

 世界について知る・知らなければいけないという設定が成立するのは今の社会の不透明さを表しているように感じます。今の社会が不透明だからこういったフィクションが成立する、自分たちの知らないところで何かが起こっているのかもしれないという共通認識があるのではないかと思います。

 

それぞれの思惑

 中盤に登場するシスターは監視役という役割を持ってやって来ましたが、彼女には彼女なりの目的がありました。そしてその目的の為に自分の上司すら裏切る行動を取りました。

 他にも裏切り者とされる人物にも思うところがあったりり、それぞれの立場で葛藤を持っているようでした。

 

 立場による役割と個人としての意思が同じではない、関係性が単純な善・悪に分かれていない。これらの事がしっかりと描かれています。

 

 

とにかく頭脳船

 真相に気付いてから主人公たちはひたすら頭を使います。どうすれば脱出できるか、どうやって生き残るか。

 動きのあるシーンや仲間の暴走といった出来事もあるんですが、基本的には情報収集と騙し合いです。それだけなのにどうしてこんなに面白いのか……?

 この辺りはもう少し分析が必要なようです。

 

 ただ、生き延びる手段として彼らが取った行動は考える事でした。それは主人公たちが子供である、というのもあるんでしょうが、その方法は昔の作品群とは一線を画しています。

 体育会系のような無意味な暴力に走ったり、都合のいい覚醒によって物事が解決する事はない。当然と言えば当然ですが、非常にリアリストと言ってもいいと思います(※ダークファンタジー作品です)。

 

協力関係

 デスゲーム物との対比で何度か書いているかもしれませんが、登場人物たちはそれぞれの立場と事情で生き延びる方法を画策しています。その中で本当の敵はシステムであったりどうしようもない存在だったりします。

 なので敵は人ではない、もう人同士で争っている場合ではない。この辺りに『バトルロワイヤル』や『ライアーゲーム』との違いを感じます。

 時代の変化でしょうね。

 

作品内に残った謎

 エンディングと1話の終盤に出て来た花、ノーマンと門の明かり、外の世界での生活。

 色々と気になる部分が残っています、原作では既に回収されているかもしれないですが、漫画を読む習慣をなくしてしまったので大人しくアニメ化を待ちます。

 恐らく他にも気になる物やシーンがあったと思うんですが、ちょっと風邪気味の時に観たので記憶が曖昧になってます。2期の前に再放送をするようなので(ネットでも多分やる)その時にまた観る事にしましょう。

 

 

 とにかくハラハラするシーンが多くて心臓に悪いんですが、観出すと止まらない。興味深い作品です。