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イド探訪 アニメ「ID: INVADED イド:インヴェイデッド」より 7話までのイドを考察する

 アニメ『ID: INVADED イド:インヴェイデッド』に登場するイドにスポットを当てた考察です(ネタの要素も含まれます)。

 データには注意を払っていますが、間違いが含まれている可能性もあります。危険度・解釈については個人的な推察が含まれます、ご了承下さい。

  順番は登場順(話数順)、8話以降はまた記事化予定です。

 

 

 

バラバラのイド(アナアキ)

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(C)IDDU (C)2019「イド:インヴェイデッド」製作委員会
データ

場所 = 不明

イドの主 = バラバラの姿で存在(頭に穴あり)

犯人の被害者 = 家族として一緒に暮らしている

犯人の殺害方法 = 頭に穴を開ける

犯人の動機 = そうしなきゃいけないと思った

カエルちゃんの死因 = 胸にナイフ

ジョン・ウォーカー = ○(主人公に一撃で倒される)

 

危険度

 見ての通り全てがバラバラです、地面すらバラバラなので着地できないとそのまま落下。運良く着地できたとしてもほとんどはコンクリートや家の壁、そんな所に落ちれば無傷で済むはずはありません。それ故に難易度は高く、Aとしておきます。

 

 しかし一度着地に成功してしまえば、そこに居るのは家族を自称する仲の良さそうなお方々。「お客様」と呼ばれ歓迎を受けると思います。

 一応、ジョン・ウォーカーも居ますがワンパンで方が付くので腕っぷしに自信がない方でも安心です。

 

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(C)IDDU (C)2019「イド:インヴェイデッド」製作委員会

 住人に「家族ですから」と言われ思わず微笑む名探偵のSさん。

 

解釈

 イドの主、アナアキの脳の損傷によってバラバラになった世界。しかし中に居る人間はいたって平和的で、アナアキに関しても逃げ回るだけでした。

 アナアキの連続殺人も「自分にしたのと同じように」頭に穴を開けるというもの。人殺しというより仲間作りに近かったのかもしれない(家族作り?)。

 

 個人的には更新されたイドの中で新人ちゃんがどのような立場に居るのかが気になります。恋人を超えてアナアキと夫婦関係になっているのでは? 何て妄想してますが、どうでしょう。

 

ドリルのイド(新人ちゃん)

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(C)IDDU (C)2019「イド:インヴェイデッド」製作委員会
データ

場所 = 不明

イドの主 = 不在

犯人の被害者 = なし(自分?)

犯人の殺害方法 = 自殺、ドリルに頭から突っ込む

犯人の動機 = 自分の居場所を知らせる為

カエルちゃんの死因 = 首吊り

ジョン・ウォーカー= ×

 

危険度

 頭上から巨大なドリルが降って来ます。遮蔽物も少ないので上空に注意していれば避けるのはそれほど難しくないかもしれませんが、イドの中では記憶が持ち越せないので普段から頭上に注意している人でもないとかわすのは難しいでしょう。

 ドリルは幅も広く近付かないと音もしません、少し巻き込まれるだけで致命傷は間違いなし! なのでこちらも危険度はAとします。

 

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(C)IDDU (C)2019「イド:インヴェイデッド」製作委員会

 ベテラン名探偵のSさんですら活動時間は68.25秒。しかしそもそも解くべき謎がなかったからこれで良しとすべきか……?

 

解釈

 荒涼とした大地にドリルが突き刺さっているだけ、ドリルの大きさはドリルに対しての恐怖心だと思われます。

 以前の記事でも書きましたが、恐怖と決意のイド。そんな感じです。

 

 気になるのはイドの中に本人が居ないこと。これは自殺だと必ずそうなるのか、それとも別の理由があるのかは分かりません。新たなイドの発見を待ちましょう。

 

 

滝のイド(ハナビシ)

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(C)IDDU (C)2019「イド:インヴェイデッド」製作委員会
データ

場所 = 不明

イドの主 = 存在、恐らく四年前の姿

犯人の被害者 = 四年前に中東で起きた爆破テロの被害者(自分が爆発で殺した被害者は出て来ない)

犯人の殺害方法 = 花火爆弾

犯人の動機 = 過去の光景を再現する為

カエルちゃんの死因 = 銃で胸を撃たれ

ジョン・ウォーカー = ×

 

危険度

  極めて危険。立っていても隠れていてもスナイパーに狙撃されます。生き残る方法はあるけれど、その方法が非常に分かりにくい。犯人の背後について歩いても撃たれるぐらい死角が狭い。

 よって仮に生き延びる方法が分かったとしても、犯人とその場所を取り合う事になります。しかも自分以外が全滅したとしても終わる保障はありません。

 なので危険度はSとします。

 

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(C)IDDU (C)2019「イド:インヴェイデッド」製作委員会

 このイドでも簡単に死に、自嘲気味に笑う名探偵のAさん。

 ※額の穴はイドの中で開いたものではありません

 

解釈

 過去の体験を再現する為という、非常にはた迷惑な犯罪者です。なので実際に手をかけた人たちはイドの中に登場しません。写真に収めていたのも事故現場をスマホで撮る人たちの姿でした。

 デスゲームを思わせる狭い塔の上、犯人はスナイパーではなく逃げ惑う人の中に混ざっている等、ざわざわ……する作品群を思わせる世界観です。

 他者の死によって自分の生を実感する、人の中にはある程度存在する感情かもしれません。

 

 

燃えさかるビルのイド(大野さん)

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(C)IDDU (C)2019「イド:インヴェイデッド」製作委員会
データ

場所 = 不明

イドの主 = 存在、最後に火だるまになって落下

犯人の被害者 = ビルの最上階に六歳の姿で存在

犯人の殺害方法 = 穴に埋める

犯人の動機 = 過去の事件の口封じ

カエルちゃんの死因 = 焼死

ジョン・ウォーカー = ×

 

危険度

 炎や爆風が吹き荒れるビル。焼死に落下死と派手さにおいてはナンバーワンのイドかもしれません。なので危険度はもちろん高いのですが、最上階に居る女の子をわざわざ助けようとしなければ危険度も下がるかもしれません。

 それを考慮して、危険度はS-とします。

 

 英雄的行為に出る者には危険がつきものなのかもしれません。

 

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(C)IDDU (C)2019「イド:インヴェイデッド」製作委員会

 迫って来る炎に向かって諦めの笑みを向ける名探偵のSさん。ちなみにこの時、本体の股間は排泄物で汚れています。

 

推察

 イドの主は大野さんです。なのでイドの中の風景は全て大野さんが無意識に持っているイメージです。そう考えると最後に大野さんが炎に巻かれて落ちるのはなぜでしょう?

 ちなみにビルが燃えているのは大野さんが以前に自宅に火を点けたからです。人を殺すイメージが大野さんにとっては火になっているのかもしれません。なので実際の殺害方法は穴に埋めたのに、イドの中では炎になっている。

 

 最後に自分もその火に焼かれるのは後悔や罪の意識の現われかもしれません。 これに関しては以前に書いた記事の方が詳しいので、リンクを貼っておきます。

 「4話の真相」の項目です。

woti-samurai.hatenablog.com

 

 

落ちるイド(ハカホリ)

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(C)IDDU (C)2019「イド:インヴェイデッド」製作委員会
データ

場所 = 高校の時に住んでいた実家の離れ

イドの主 = 中学か高校生の姿で存在→ジョン・ウォーカーに切り刻まれたが生存

犯人の被害者 = INAMIを隠す姿として存在

犯人の殺害方法 = 穴に埋める

犯人の動機 = 恋愛感情(INAMIへの捧げ物)

カエルちゃんの死因 = 胸を刃物で一突き

ジョン・ウォーカー = ○(ハカホリをナイフでバラバラに、主人公の攻撃を避けて逃亡)

 

危険度

 着地の難易度が非常に高いと思われるイドです。名探偵は落下しながら同じように落下するこの島のような空間に下りる必要があります。生存能力が低ければ無限に落ち続けるだけでしょう。

 しかし着地に成功すれば無重力の建物の中で快適な時間が過ごせるかもしれません。

 住人も無口な学生が二人居るだけ。ジョン・ウォーカーは多少手強そうですが、名探偵に手出しはして来ないようです。

 なので難易度はA-とします。

 

推察

 落下する、そしてこの場所(高校時に住んでいた場所)にINAMIも訪れている事を考えると、イドの主であるハカホリはここで恋に落ちたのかもしれません。

 ハカホリは恋愛感情で殺人を犯しているので、殺意というより恋に落ちた場所がイドの中に現れるのではないか、という解釈です。合っているかは分かりません。

 

 ちなみに、この話では恋愛衝動と殺人衝動が同等のものとして扱われています。この設定が素晴らしくて、うなるしかありません。

 ちくしょう、この作家性! 作家性!(ただの嫉妬です、放っておいてあげて下さい)

 

 

円環のイド(INAMI)

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(C)IDDU (C)2019「イド:インヴェイデッド」製作委員会
データ

場所 = 高校の時に通学に使っていた電車

イドの主 = 高校生(14歳)の姿で存在

犯人の被害者 = 母親が飛び込んだ踏切に並んでいる

犯人の殺害方法 = 実行はしていない

犯人の動機 = 母親の死を繰り返している?

カエルちゃんの死因 = 自殺、ナイフで首を切る

ジョン・ウォーカー = ○(電車の外に居るだけ)

 

危険度

 電車内に危険人物は居ません。危険物もなく、ジョン・ウォーカーも電車の外で見ているだけ。危険度なし、というか死ぬ要因があれば教えて欲しいです。

 

 白骨化した乗客が気にならなければ帰宅途中のノスタルジーを存分に味わえます。

 当然ですが、危険度はなし。

 

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(C)IDDU (C)2019「イド:インヴェイデッド」製作委員会

 見られている事を忘れて号泣する名探偵のSさん。この時、井戸端ではどんなデータが取られているたんでしょう?

 

解釈

 INAMIの精神構造は個人的に分かりづらい、そんな前提で書きます。

 母親が自殺した電車に乗っていた、そして今も乗り続けている。それは母親を殺し続ける行為です。実際の被害者たちが母親の身投げした踏切に居るのもそういう意味でしょう。

 人が死ぬのを見るのが嫌いだったのに、母親の死によってそれが変わってしまった。これが罪悪感によるすり替えなのか、ショックでその記憶を上書きしようとしているのか。やはり分かりづらい、経験の差かもしれません。

 

  でもその場にハカホリが居るのは、彼を共犯者のように思っているのか、そんな自分に好意を寄せる人物が嬉しいのか。その辺りではないかと思われます。

 

 

雷のイド(主人公)

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(C)IDDU (C)2019「イド:インヴェイデッド」製作委員会
データ

場所 = 不明

イドの主 = 死亡、服装から刑事時代と思われる

犯人の被害者 = 不在

犯人の殺害方法 = 銃殺、その後は言葉で自殺に導く

犯人の動機 = 娘の復讐

カエルちゃんの死因 = 雷(感電死)

ジョン・ウォーカー = ×

 

危険度

 突然の落雷に見舞われます。周囲の人間が逃げ惑っているのもあってか、混乱すると雷を受けて命を落す可能性があります。

 ただ、最初に居る場所が安全地帯であること。動かなければ死ぬ事はない、更に動くには手錠を外す必要があり、相当慌てていなければ手錠を外している間に冷静さを取り戻すと思われます。

 なので問題は、そこから直感が働くかどうか。探偵としての能力が問われるイドとも言えます。

 

 なので、危険度はB。これはイドの主が手を貸してくれている事も考慮しての結果です。

 

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(C)IDDU (C)2019「イド:インヴェイデッド」製作委員会

 最初こそ混乱したけれど、自分が名探偵である事を思い出す名探偵のHさん。

 

解釈

 イドの中でその主が死ぬのは大野さんの時と同じで罪悪感だと思います。娘が死んでからずっと雷が落ち続ける世界。それは今も変わらない痛みの証明だと解釈しています。

 しかし殺意というには余りに自虐的です、殺した相手の姿もありません。自分の痛みを連続殺人犯に向けたのか、出来るからやっただけなのか。その辺りは分かりません。

 

 娘の姿がそのままイドの中に反映されている、という描写がありましたが、その点ではハカホリ・INAMIのペアもそうでした。恋愛感情はあっても互いに美化されていないのは長い付き合いがあるからでしょうか。

 

 

イドとは何か?

 ここまで付き合って頂いた方には通じると思いますが、イドは殺人衝動の世界でありながら、殺意の原風景でもあります。

 それは殺意が芽生えたキッカケであったり、殺人を犯す根本となる体験です。なので実際に殺した相手がイドの中に居ない事があるのは、原風景を追体験しているだけという事になります。

 

 データの中に「イドの主」という項目を入れたのはそういう意味で、いつの体験がその人物の原風景・原体験になっているかというのを示したかったからです。

 他にもデータからあれこれ考察したかったんですが、さすがに文字数も増えて読むのに苦労しそうなのでやめます。

 

 

 この記事を読んだ人の中に、何かモヤモヤしたものが残った方もおられると思います。ここが矛盾している・これは違うんじゃないか。

 そんな方に向けて最後に一言。

 

「心の中では、何だって起こりうる」

 

 べ、別に俺の考察が間違ってるから言い訳してるって訳じゃないんだからねッ!