アニメ「ID:INVADED イド:インヴェイデッド」 求む、名探偵!
いいタイトルが浮かばなかったので項目の名称そのままです。この作品について思うところを二点ほど語ってみたいと思います。
求む、名探偵!
このアニメの考察記事は当然ですがこのブログだけではありません。ネタバレが怖くて余り見ないようにしてはいるんですが、「○話の考察」で検索するとピンポイントで見つかるので重宝しています。
(それでも次話のタイトルにネタバレがあったりと、罠がいくつもあるので控え目にはしていますが)
そしてその考察には推理や展開予想も含まれていて、それがやっぱり外してるんですよね! いや、外してるのが悪い訳じゃありません。というか当たりませんよ、この作品。
しかしこの構図を見ていてフと思うところがありました。
「これって『ディスコ探偵』じゃね?」と。
ディスコウェンズデイ
『ディスコ探偵水曜日』は『イド:インヴェイデッド』の脚本をされている舞城王太郎の小説です。内容についてはこちらのブログが解説してくれているので任せます。
なんたって、日本中から名探偵が集まり、一つの事件に対し、それぞれの探偵が自分の推理を披露してゆくのだから。
今回取り上げたいのは特にこの部分です。名探偵がやって来ては各自のやり方で推理を展開し、そして推理を外すと同時に次々と殺されていく(ネタバレ)。
名探偵が死んだ後にはそれまで明かされていなかった事実があらわになり、推理の間違いと共に再び事件は謎に包まれる。
(後出しジャンケンと言われるこの部分ですが、個人的には一人の人間の限界を表していると解釈しています。
いくら名探偵と言われる人物であっても、分かっている情報や持っている知識の中でパズルを組み立てているに過ぎない。だからその推理にも限界がある、そういう意味ではないかと思っています)
間違える名探偵=俺たち
この構図って『イド:インヴェイデッド』というアニメを見ながらあれこれと考察する人たちと関係が似通っている、と思ったんです。
『イド』は推理をするには余りに情報が少な過ぎます、なのであくまで予想という域を出ない。というかジャンルを超えた展開を持って来る舞城王太郎の手腕が予想する人間にとっては鬼畜すぎる。
でもだからこそ、この名探偵ゴッコに参加して一緒にあれこれ言ってみませんか? それがこのアニメを楽しむ一番正しい方法ではないかと思うんです。残り二話しかないけど。
一挙見も悪くないですがそれだけではもったいない。予想をしつつ間違っていたと思う時の(個人的な)スリルも味わって欲しい。そんな気持ちが最近強くなって来ています。
安心してください、『ディスコ探偵』とは違うので、間違ってても死ぬ事はありません。何なら言い訳だってし放題です。
謎が解けてからだともう味わえない、この(個人的)スリルと快楽(妄想)をぜひ一緒に楽しんでみて下さい。
求む、名探偵!
名探偵の名前
舞城王太郎の作品には本名を伏せたペンネームのような名前の名探偵が何人も登場します。それにならって自分の名前を決めるなら……んー、「犬犬わんわんわん」か「一文字ハヤトハヤト」辺りがいいだろうか。
とネタが分からない人にはサッパリですねこれ。
上記の『ディスコ探偵水曜日』に登場する名探偵に「猫猫にゃんにゃんにゃん」「本郷タケシタケシ」というキャラが登場します。本郷タケシは「仮面ライダー」一号の名前です(正確には本郷猛)。なら二号の一文字隼人の名前を(以下略、俺は何を必死に語ってるんだ……?)。
脚本について
個人的な話ですが、以前に脚本の勉強をしていた事があります。通信講座ですけど。
なのでその辺りの知識から少々語らせて貰いたいと思います。
この作品はかなり独特の脚本になっています。それは設定等の突飛な部分もそうですが、それ以上に情報量が明らかに多い。情報過多と言ってもいいぐらいです。
原因は脚本を小説家である舞城王太郎という方がされているからでしょう、原案だけしていればきっとここまで濃いものにはならなかったと思います。
テレビで流すものは基本的に映像を見なくても分かる程度に情報が抑えられています。片手間で見れるよう元から調整されているのがほとんどでしょう。
なので30分アニメで推理ものをすると自ずとコナン君ぐらいまで情報が削られてしまう。
ここに書いているのはあくまで予想なので確実とは言えませんが、それでもこれだけ情報過多なアニメを今の日本でやってもそれほど受けるとは思えない。これは現状を見れば分かるでしょう。
映像が大量に消費される現状では軽くて適度に尖っている作品が好まれる傾向にある。これが子供の時から映像に慣れ親しんで当たり前となった人たちの当然の反応です。
中国での反響
ビリビリ動画で中国史上最高評価を獲得し現在1位
この記事は2月11日のものなので多少古いですが、それでも変動は余りないでしょう。日本のコメントとの空気差が凄いですね。
恐らくですが、今の中国は新しい映像や表現に対して敏感で貪欲な状態にあると思います。だからちょっとの情報も見逃すまいと思って観ている。日本の現状とは大きく違うと思います(これに良し悪しはありません)。
結果としてこの作品の特殊な設定やその情報密度を受け入れるだけの土台があった。評価が大きく離れているのはきっとそんな理由なのだと思います。
個人的にもこのブログで考察記事を書いていなければ「面倒なアニメ」と言って終わっていた可能性もあります。無かった未来は予測できない。
こちらは中国でのオープニング曲の情報。アニメの影響と考えて間違いないでしょう。
えー、脚本についてはもうちょっと違う事を書く予定だったんですが、時間の都合でここまでとします。
まぁとにかく、この作品が埋もれなくて良かった。ビリビリ動画に感謝したのは始めてかもしれません。別に恨みもないけど。
チラッとビリビリのトップページを開いたら見覚えのあるキャラが居たので動画のリンクを貼っておきます。でも直ぐ消えるかも?
あ、ちょっと音量注意です。
https://www.bilibili.com/video/av93906019
(リンクがこの方法でしか貼れません)