アニメ「ID:INVADED イド:インヴェイデッド」より、リアルイド構築してみた
アニメ『イド:インヴェイデッド』内に登場するイドの世界、これがもし実在の連続殺人犯に存在したらどんな姿になるか?
それを想像してみようという思考実験であり、一つの遊びです。
実在の連続殺人犯の過去や犯行に触れる為、そういった内容を好まない方はブラウザバックをお願いします。
前提
- 情報はwikiを参照
- リアルさを避ける為に日本人以外の連続殺人犯を選ぶ
- あくまで個人的な思考・判断を元にしています
- 考えた人間は心理学のプロでも井戸端のメンバーでもありません
アイリーン・ウォーノス
選んだ理由はあいうえお順の最初にあったから、というだけ。
情報は全てこちらのページから。どうやら女性の連続殺人犯は稀らしい。
略歴(略歴になってない)
1956年に生まれる。
親は15歳(母)と18歳(父)、両親はアイリーンが生まれる前に離婚。
母親はアイリーンが4歳の時にアルコール中毒で育児放棄、家を出る。
父親は精神病を患い精神病院に入退院を繰り返す。少女への強姦罪で有罪、服役中に自殺。アイリーンと父親の接触はない。
アイリーンとキースは母方の祖父母によって育てられるが、祖父から肉体的・性的な虐待を受ける。
アイリーンは11歳の時からタバコ・薬・食べ物と引き換えに複数の異性と肉体関係を持つ。兄のキースとの近親相姦も。14歳で祖父の友人に強姦され妊娠。15歳の時に出産、子供は養子に出される。
1971年に祖父が亡くなり、アイリーンは高校を中退して娼婦として生計を立てるようになる。
1976年、ヒッチハイク中に69歳の裕福な男性に出会い、直ぐに結婚。しかし一ヵ月後に結婚無効を申し立てられる。
その後、コンビニ強盗を行い逮捕。偽造小切手で逮捕。犯罪を重ねる。
1986年、ゲイバーでテイリアという女性に出会い恋人関係に。恋愛は一年ほどで冷めるが、信頼できる友人として共に行動する。
この後、アイリーンの暴行事件が多発する。
1989年、51歳の男性を初めて手に掛ける。
そこから一年の間に合計で6人を殺害。アイリーンとテイリアは犠牲者の車で民家の庭に突っ込み、住人に目撃される。
数ヵ月後にバーで逮捕される。
イドのタイプは?
イドはその持ち主の決定的な出来事を中心に構築されています。ハナビシのテロ現場、燃えさかるビルは過去に自分が火をつけた建物、円環のイドは母親を轢いた電車の中でした。
アイリーンは過去に祖父から虐待を受けていますが、その後も生活の手段として売春を行っています。なので思春期のトラウマを中心にはしません。
一つの場面というより一つのシチュエーションを繰り返す、ハナビシタイプのイドだと仮定します。風景は余り重要ではなく、状況的に同じような事を繰り返す。
その状況は?
ではその状況とはどういうものか? アイリーンは11歳の頃から売春行為を繰り返しています、売春は生活する為の手段だった。生存の為の売春、他にこれといった定職には就いていないようです。
売春、セックスと金を得ること。これは一つのキーになると考えます。
感情の激しさ
数々の暴行事件や短絡的な犯罪が目に付きますが、仲の良くなった相手と一気に距離を詰めるのも特長かもしれません。
69歳の男性と結婚を決めたり、テイリアとの同棲生活も直ぐに始まっています(住む場所がなかったのも原因かもしれませんが)。
これらの点から非常に感情の動きが激しい人物だと想像できます。
男性への憎しみ?
一度も会う事がなかった父親、そして祖父の虐待により主に年上の男性への恐れと憎しみのような感情があったのではないかと想像します。69歳の男性と結婚しようとしたのもただの気の迷いではないでしょう。しかしその感情はずっと心の底に隠されていた。
それがテイリアという信頼できる同性を得る事で解放され、それまで自覚していなかった憎悪が表面化します。
被害に会っているのは全て年上の40歳から65歳の男性です(単純にアイリーンが30歳で年上しか客が付かなかった可能性もあり)、自分の人生をメチャメチャにした彼らへの憎しみが露になったと考えてもそうおかしくはないでしょう。
アイリーン・ウォーノスのイド
これらの事を総合して考えます。
まず風景は刻々と変化します、安いモーテルであったり小部屋や原っぱである事もあります。その中でアイリーンは顔の入れ替わる年上の男性と愛し合っています(理想の父親のようなイメージ)。
その場所に現れるテイリア、それに続いて津波のような血液がアイリーンに襲い掛かります。それに呑まれたアイリーンは愛し合っていた男性を銃で撃ったり鈍器で殴り倒したりします。
そして津波が去ると再び元の愛し合う二人に戻る。そんな繰り返しです。
解説
風景が入れ替わるのは作中にも登場しなかった表現です。アニメでは難しい表現なのか、場所が変わると他のイドとの区別が付きにくくなるので避けた可能性はあります。
津波に関しては感情の激しさです、コロコロ切り替わる感情を津波で表しています。これは映画のシャイニングのワンシーンを真似ています。
他には映画の『CUBE』のようにいくつも個室がつながっていて、その中でそれぞれ愛し合ったり殺し合ったりするアイリーンの姿があるのも面白いかもしれません。
恐らく異論はあるでしょうが、試しに考えてみたのはこんな感じ。カエルちゃんも登場させようかと思ったんですが、さすがにそこまで頭が回りませんでした。
というか……、軽い思い付きだったけど考えるの大変だこれ。
エド・ゲイン
こちらも選んだのはランダム、映画の題材になった事もあるようです。
情報はこちらから。
略歴
1906年8月27日に次男として生まれる。
父は重度のアルコール依存、母は狂信的なルター派信者。この母の教育は独自の解釈がされていたらしい。
「性=悪の象徴、または罪の根源」なので「男性器を悪の象徴」とした。「他者は穢れているから一切関わってはいけない」「若い女は不潔で汚らわしく、堕落していて邪悪な存在だ。女たちには指一本触れるな」。
これらの教育によってエドは同年代の子供とほとんど話すことができなかった。それでもエドは母を心から愛していた。
1944年、農場の近くで野火が起こり、その際に母の悪口を言った兄を騒ぎの中で殺害。兄の頭部には傷があったが、殺人の可能性はないとした。
同年、母が病に倒れる。エドの懸命な看病の甲斐もなく、母は翌年に死去。唯一の「友達」であり純粋に愛する人を失ったエドは葬儀の場で大泣きする。そして彼は完全な孤独となった。
エドはその後、ベビーシッターや補助金でつましく生活する。引きこもりがちではあったが近隣の社会活動に参加する事もあり、周囲からは物静かで礼儀正しい「少し変わり者だが、善良な隣人」として受け入れられる。ベビーシッターとしては引っ張りだこであった。
しかしエドはオカルト・解剖・死体・カニバリズムへの性的執着を現していく。
近場に埋葬された母に似た中年女性の死体を掘り返し、それらを解体・加工して食器や家具にした。一部は食用とし、保存もされていた。
(この辺りは余りにエグいので詳細は書きません)
満月の夜に切り取った女性の体を身に付け、農場(自宅)内を歩き回ったりした。全部で15人の女性の死体があったとされている。
1957年11月16日、ゲインは近くに住む雑貨店経営の57歳の女性を殺害したとして逮捕される。その際に家宅捜査され、その女性の遺体と数々の加工された肉体を発見される。
(実質的な殺人は兄とこの女性の二人だけ)
イドのタイプ
第一の犯行がイドに大きな影響を与えているパターン、燃えさかるビルのイドと同じタイプのものとします。
エドの場合、初犯は兄の殺害。燃える野山の風景です。
歪んだ性教育
燃える野山と母の教育である聖書のイメージを足します。
それはアダムを騙したのは蛇=男性器、というもの。これによってエドは自らの性器を憎むようになった(倒錯的に)。
服装倒錯
エドは解体した女性の一部を身にまとう事がありました。これは女性になる為の儀式であると指摘されています。
更に性転換を決意していたとも言われています。
エド・ゲインのイド
燃えさかる野山に囲まれた聖書の中のような世界。そこにアダムとイブが居ますが、アダムは邪悪な顔をした父親、イブは母親の姿をしています。
しかし母親のイブは目が死んでいて、時折その体は肉が削げ落ちるように崩れます。
その母親の肉体の中に居るのがエドです。彼は神聖な存在としての母親の体に隠れています。そしてアダムの股間から生えた蛇を切り落とそうとしつつ、崩れそうな母の肉体を縫い合わせています。
解説
聖書と野火、そして服装倒錯を足したもの。それ以外の要素は特に入っていません。
もう無理
軽い思い付きだったんですが、思ったよりハードでした。特に連続殺人犯の生い立ちは凄まじいものがあり、略歴のはずが簡単にまとめられない。
数日間この記事を書いてたんですが、メンタルが削れて度々お蔵入りしようかと考えました。
三人か四人は書くつもりだったんですが、無理。絶対無理。なのでここまでとします。
舞城王太郎の小説『淵の王』で、闇には近付くな~みたいな言葉があったけど、その意味が少しだけ理解できたかもしれません。