アニメ「ID:INVADED イド:インヴェイデッド」 4話の再考察
全話視聴済み、もう一度観て分かった部分や残った謎について書いて行きたいと思います。
局長の狙い
「そんな……、まだ行方不明者の捜索が続いている事件の容疑者ですよ?」
「報告書は読みました。しかし、鳴瓢が懲罰房に入っている今、蔵全体が停止してしまっていますから」
穴空きをパイロットにするかどうかの会話です。局長はこう言っていますが、百貴さんの言う通り異例な事なんでしょう。
恐らくこの段階で局長は、「追込み」である鳴瓢をどう始末するか考えていたのではないかと思います。つまりこれが10話のラスト、穴井戸によって鳴瓢の井戸嵐が引き起こされる事態につながって来る訳ですね。
穴井戸、死亡
この辺りから急にネタキャラと化した感のある穴空きこと富久田保津。でもまさか、この死に芸に意味があったとは……。
本当にトリッキーでいいキャラです。
警察内部
「おはようございますー、すみません」
「すみませんじゃねぇよ、偉そうに」
蔵という組織は他所からきつく当たられています。それは比較的新しい組織であるのと、その割に大きな権限を持った事への反発でしょう
ここで「偉そうに」と言われているのも偉そうに聞こえてしまうのが原因だと思います。組織内部でのいざこざが垣間見れますね。
口の悪い警察隊員
「ちくしょう! この人でなしが!」
他にも口の荒い隊員の姿が見られたりと、こういうのをリアルというのかは分かりませんが(実際がどんな感じが知らないので)、面白い描写だと思います。
火を点けたのは何年前?
実はこの4話で一番悩んだのは、被害者である菊池桂子の年齢のズレです。普通に流して観ていればそれほど気にならないかもしれないので解説します。
作中の年齢
OP後の菊池桂子、どこかに閉じ込められています。ライブ配信の詳細には16才で私立多摩総合学園の一年生と書かれています。
イドの中で発見されたのは10才頃の姿だと井戸端で特定されました。
「容疑者割れました。大野源平、確かに菊池桂子の近所に。彼女が5歳の頃まで住んでいました」
台詞の通りです。5歳の頃まで近くに住んでいたようです。
チグハグな年齢
- 菊池桂子の現在の年齢は16才。大野源平が5才の頃まで近くに住んでいたなら、イドの中の姿はなぜ10才前後なのか?
- 大野源平が家に火を点けたのが11年前(菊池桂子5才の頃)なら、どうして今頃口止めの為に殺害したのか?
正直、この部分を気にする人は余り居ないと思うんですが、実は1周目の時から気になってました。
再度考えてはみたんですが、やはり分からず。とりあえず仮説だけ出して思考放棄します。分かった人、教えて!
仮説
大野源平が火事を起こしたのはいつか? これに対して二つの可能性が考えられると思います(他にもあるかも)。
- 菊池桂子が5才の頃まで大野源平は近所に住んでいた、そして火事を起こして引越しした。
- 火事を起こしたのは実は6年前(菊池桂子10才)で、菊池桂子は近所に住んでいなかったけれど目撃者となった。
それでもやはり2.である可能性は薄いでしょう。なので1.の方向で考えてみます。
- 菊池桂子の姿が10才なのは、大野源平が引越し後も菊池桂子の姿を追っていたから。
- 今頃になって口止めをしたのは、菊池桂子に物心がついて犯行がバラされるのを恐れたから。もしくは不安に耐え切れなくなった。
という辺りでこの疑問は投げ捨てます。分からんもんは分からん!
考えるのをやめた (かんがえるのをやめた)とは【ピクシブ百科事典】
なぜ笑ったのか?
イドへの排出と再投入を繰り返している時です、迫り来る爆炎を前に酒井戸が笑顔を見せます。このシーンに関しての個人的な推察です。
酒井戸こと鳴瓢は自分の命を重く感じていません。それは3話で花火師に「生きてても死んでてもどうでもいい」あんただってそうだろ? と言われ「まぁね」と返しています。
そして5分休憩と局長のお小言を頂戴します。そのお小言の内容は「彼にはもはや、誰かを救いたいという動機なんて無いのかもしれません」というもの。
これが鳴瓢に聞こえていた訳ではないのですが、
目付きが変わります。鳴瓢には救いたいという気持ちがある、それは後悔や罪悪感といった前向きなものではないですが、それによって救われる人が居るのも事実です(今回は救われませんでしたが)。
事件後の会話
ジョン・ウォーカーの影響
「ただ……、耐え切れない殺意が俺の中から湧いて来て、その時思ったんです。俺には殺せると、だから殺したんです」
殺せると思ったから殺した、これは恐らくジョン・ウォーカーが連続殺人鬼を作る手口だと思うんですが、考察がまだそこまで進んでいないので後に回します。
衝動だけで行動は
「人は……、俺がまだ人ならですが。人は衝動だけで行動を決定したりしない」
事件解決後の鳴瓢と百貴さんの会話です。この台詞に覚えがあったので調べてみました。
すると6話(円環のイドの回)で百貴さんがこんな事を言っています。
「衝動だけで行動は決まらない」
同じ意味ですね。百貴さんはこの時の鳴瓢の言葉を信じたのでしょう。
二人の信頼関係が見て取れますね。
ダメな大野さん
PCスキル
警察隊に突入された時の画像。ノートパソコンを触ってますね、実況らしきものが映っています。
それなりの年齢に見えるんですが、動画をライブ配信に見せかけたり海外サーバーをいくつも通して発信源を分からなくしたりと、一応のスキルはあるようです。
タル
被害者である菊池桂子が入れられていたタル、洋樽ですね。しかも地下というだけで埋められていなかったという。
ちなみに本物の墓掘りは和樽? 普通のタルです。日本酒を造るのに使われたり鏡開きの際に見るあれです。
大野さん、おしい。ニアミスです。
大野さんのイド
4話のイドは犯人が最初に行った事件と同じものでした。家に火を放った時と同じ無意識で犯行に及んだのではないかと考えています。が、恐らく諸説あるでしょう。
他にもこのイドに関する真相はこちら。
以前の記事です、「4話の真相」の項目参照。
捕まった後の大野さん。安心したような、何ともいえない表情ですね。
残念な大野さんはどこへ?
4話の犯人である大野さんですが、彼は蔵に収監されていません。なぜか?
最初は連続殺人鬼ではないから、と思ったんですが、最初の放火事件を考えるとこれで二件目になります。
まぁ、メタ視点でいくとこの先活躍する場面がないからフェイドアウトして貰ったという事になりますが、それだとご都合過ぎますね。
画面に映っていないだけで実は蔵の中に居る、という辺りに落ち着いておきましょうか。もしくは百貴さんが配慮して他所に送った辺りでしょう。
※追記
12話の更新した井波のイドと言われる場所で一瞬だけ姿が映るこの人物。確かに大野さんっぽいですね、蔵の囚人服を着ているので恐らく間違いないでしょう。
という事は蔵のどこかに居た事になります。
この情報はツイッターで教えて貰いました。情報ありがとうございます!
ほんと良く見つけたなぁ、というぐらい一瞬でした。
4話の役割
既に事件解決までの流れは見えました。そして3話・4話と危険なイドが続き、それを乗り越えようとする主人公の活躍も見られます。
ミヅハノメやカエルちゃんといった謎の要素を含みつつも、視聴者としてとりあえずは安定して観ていられる状況になりました。
(それでも情報量が多くて当時はかなり混乱してましたが)
そして穴空きや本堂町も動き出して、今後の流れへとつながって行きます。ほんとに無駄がないなぁという印象。それでもかなりの部分が削られたんでしょう。
謎が残っているのも全てを説明するだけの尺がなかっただけなのかもしれません。
という辺りで4話の再考察は終了。
やはり見返しても分からない部分は出て来ますね。個人の能力の限界でしょう。他にも考察を続けてる方が居ると嬉しいんですが、大手サイトは既に新規アニメで忙しいようです。
まぁ、そうでしょうね。