アニメをっち

アニメの感想、持論などを好き勝手に書いております

アニメ「啄木鳥探偵處」 1話に登場した短歌の解説

 ちょっと手抜きの記事です。作中に登場した短歌に軽い解説等を入れようというもの。

 啄木の短歌は分かりやすく、余り解説の必要もないかもしれませんが。それでも個人的に何か残しておきたかったので記事化します。

 

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©2020伊井圭・東京創元社/「啄木鳥探偵處」製作委員会

 

 

 一首目「こころよく 我にはたらく仕事あれ」

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©2020伊井圭・東京創元社/「啄木鳥探偵處」製作委員会

「こころよく 我にはたらく仕事あれ
それを仕遂げて 死なむと思ふ」

 

 ハッとするような歌です。本当に、自分の成すべき気持ちのいい仕事をやり遂げて、そのまま何もなかったように死ねたらいいなと思う。

 この短歌から始まるという事は、自ずとその先が見えてきます。粋な計らいですね。

 

 

 アニメの内容からはうかがい知れないかもしれませんが、啄木はかなりの苦労人のようです。まぁ苦労しながらも友人に金の無心をしたりと、作中通りの行動をしていたようですね。

 どうやらこのアニメは史実通り、というか史実を元に書かれた小説が原作になっているらしく、その辺りも興味深いです。

 

 でも探偵をやっていたというのはさすがにフィクションですよね……?

 

二首目「ふるさとの 訛なつかし停車場の」

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©2020伊井圭・東京創元社/「啄木鳥探偵處」製作委員会

「ふるさとの 訛なつかし停車場の

 人ごみの中に そを聴きにゆく」

 

 地元暮らしをしているのでこの感覚はそこまで分かりませんが、でも何となくは分かります。

 孤独、寂しさ。この画像の停車場が明るい場所なのに対して、啄木たちが暗い道を歩いているのも印象的です。いい演出ですね。

 少し検索したらこんな記事が出て来ました。

 

dokushojin.com

 石川啄木のこの歌に詠まれている「停車場」が現在のJR上野駅を指していることはけっこう有名であり、実際に上野駅の構内に歌碑が建てられている。

 

 のようです。

 しかしこれをアニメの聖地というのは少し違った感じもします。

 

その他

ちと髪を

「ちと髪をなでつけねえと出合茶屋」

 

 序盤に啄木が呟く言葉です。これは啄木の創作ではなく、当時の風俗を詠ったもののようでした。

 

 参考リンク。

 

tanken.com

 であいぢゃや
〔出合茶屋〕出合専門の茶屋。今の「つれこみホテル」の類で江戸の諸所にあったが、上野不忍池弁天島の周囲に十数軒集まっていたのが有名。
「ちと髪をなでつけねえと出合茶屋」の川柳にその生態を見る。

 

八雲立つ

八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに

 八重垣作る その八重垣を」

(やくもたつ いづもやえがき つまごみに

 やえがきつくる そのやえがきを)

 

 出典は「古事記」のようですね。

 現代語訳はこちらのリンクで。

 

oidon5.hatenablog.com

何重にも重なりある雲が立ち上る ここ出雲に立ち上るのは八重垣のような雲だ。
妻と住む宮にも八重垣を作っているよ そう八重垣を。

 

※「八雲立つ」は「出雲」にかかる枕詞。

 

 リンク先にもありますが、詠んだのはスサノオノミコトとされているようです。ほんとかよ。

 

 

おしまい

 こんな感じで少々手抜きな記事になるかもしれませんが、短時間で書ける記事が欲しかったのと、昔読んだはずの『一握の砂』を完全に忘れていたのでその記憶の弔い合戦です。

 アニメの内容にどこまで触れるかは不明。その辺りも手探りで行こうと思います。