アニメ「啄木鳥探偵處」 1話に登場した短歌の解説
ちょっと手抜きの記事です。作中に登場した短歌に軽い解説等を入れようというもの。
啄木の短歌は分かりやすく、余り解説の必要もないかもしれませんが。それでも個人的に何か残しておきたかったので記事化します。
一首目「こころよく 我にはたらく仕事あれ」
「こころよく 我にはたらく仕事あれ
それを仕遂げて 死なむと思ふ」
ハッとするような歌です。本当に、自分の成すべき気持ちのいい仕事をやり遂げて、そのまま何もなかったように死ねたらいいなと思う。
この短歌から始まるという事は、自ずとその先が見えてきます。粋な計らいですね。
アニメの内容からはうかがい知れないかもしれませんが、啄木はかなりの苦労人のようです。まぁ苦労しながらも友人に金の無心をしたりと、作中通りの行動をしていたようですね。
どうやらこのアニメは史実通り、というか史実を元に書かれた小説が原作になっているらしく、その辺りも興味深いです。
でも探偵をやっていたというのはさすがにフィクションですよね……?
二首目「ふるさとの 訛なつかし停車場の」
「ふるさとの 訛なつかし停車場の
人ごみの中に そを聴きにゆく」
地元暮らしをしているのでこの感覚はそこまで分かりませんが、でも何となくは分かります。
孤独、寂しさ。この画像の停車場が明るい場所なのに対して、啄木たちが暗い道を歩いているのも印象的です。いい演出ですね。
少し検索したらこんな記事が出て来ました。
石川啄木のこの歌に詠まれている「停車場」が現在のJR上野駅を指していることはけっこう有名であり、実際に上野駅の構内に歌碑が建てられている。
のようです。
しかしこれをアニメの聖地というのは少し違った感じもします。
その他
ちと髪を
「ちと髪をなでつけねえと出合茶屋」
序盤に啄木が呟く言葉です。これは啄木の創作ではなく、当時の風俗を詠ったもののようでした。
参考リンク。
であいぢゃや
〔出合茶屋〕出合専門の茶屋。今の「つれこみホテル」の類で江戸の諸所にあったが、上野不忍池弁天島の周囲に十数軒集まっていたのが有名。
「ちと髪をなでつけねえと出合茶屋」の川柳にその生態を見る。
八雲立つ
八重垣作る その八重垣を」
(やくもたつ いづもやえがき つまごみに
やえがきつくる そのやえがきを)
出典は「古事記」のようですね。
現代語訳はこちらのリンクで。
何重にも重なりある雲が立ち上る ここ出雲に立ち上るのは八重垣のような雲だ。
妻と住む宮にも八重垣を作っているよ そう八重垣を。
※「八雲立つ」は「出雲」にかかる枕詞。
リンク先にもありますが、詠んだのはスサノオノミコトとされているようです。ほんとかよ。
おしまい
こんな感じで少々手抜きな記事になるかもしれませんが、短時間で書ける記事が欲しかったのと、昔読んだはずの『一握の砂』を完全に忘れていたのでその記憶の弔い合戦です。
アニメの内容にどこまで触れるかは不明。その辺りも手探りで行こうと思います。