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アニメ「天晴爛漫!」 2話の感想、分析

 この記事はアニメ『天晴爛漫!』の2話を観て、個人的に面白いと思った部分を取り上げたり分析したりするものです。

 視聴済みを前提に進めるので未視聴の方は先にアニメを観る事をおススメします。

 

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

 

ザックリ説明

 1話はザックリ言うと主人公たち(天晴と小雨)が日本からアメリカへ行く話でした。

 2話は侍の小雨が剣の腕で活躍するも刀は抜けない。そしてシャンプー……じゃなくて拳法女のシャーレンやアメリカ先住民の子供ホトト。更に口数の少ないガンマンでありレーサーのディラン、と主要人物が一気に出て来ます。

 が、全員くすぶってる感じですね。それぞれが問題を抱えているようでいい感じです。

 

小雨と刀

小雨の剣の腕

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

 

 序盤で殴られ屋らしき拳闘士(ボクサー)と戦うシーン。

 ポンコツな部分が目立つ侍の小雨ですが、剣の腕は一流のようです。「半月一刀流」という単語も出て来ますが実在するものではないようです。

 

 しかし実際問題、ボクサーのパンチはそう簡単に見切れるものではありません。ボクシングのパンチは拳を引くところまでが1セットです、突き出した状態で止まっているのはおかしい。

 なので、誇張された表現だという事は一応指摘しておきます。こういった表現が今後も続出しそうですね。

 

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

 

 中盤、拳法の達人(公式サイトより)であるシャーレンの攻撃も完璧に見切っています。暗いのに良くやる……。

 この後、「殴るなら殴れ!」と言って思いっきり蹴られてるのでちょっと笑ってしまいましたが。

 

 

今は抜けない

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

「世の中が変わって、刀を捨てろと言われても、簡単には手放せない。例え、今は抜けなくても……」

 

 終盤間近、シャーレンとのやり取りの後、天晴ではなくシャーレンに共感した小雨の台詞。

 ここでハッキリと今は抜けないと言ってますね。

 

 このシーン以外でも刀に関する台詞はこの回だけで何度かあります。先のシャーレンに蹴られる前にも「武器を捨てろ!」「簡単には捨てられん」というやり取りがありました。

 

 

トラウマ?

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

 

 そしてその原因になっているのがラストシーンの回想でしょう。

 これは子供時代の小雨ですね。隣に居るのは母親のようなので、斬られたのは父親でしょうか? そういえば日本に居る時、小雨の妹は登場しましたが両親は出て来ませんでしたね。でも許婚を決めたのは父親でしたっけ?

 

 この辺りも今後、明らかになるんでしょう。

 

侍と椿

 ちなみにこの回想の中に背景として登場している花ですが、恐らく椿でしょう。

 椿と侍といえばこの話。

 

ツバキ - Wikipedia

武士は、その首が落ちる様子に似ているというのを理由にツバキを嫌った、という話もあるが、それは幕末から明治時代以降の流言であり、江戸時代に忌み花とされた記述は見付からない

 

 流言でしたか……。でも首が落ちたという意味なのかもしれません。

 

シャーレンとレーサー

運転技術

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

「暗闇の中で……、凄いな」

 

 他にも天晴に「お前の運転、昼間の奴らに全然負けてない」と言われています。隠れて練習しているのにその腕だと本物のレーサーには立つ瀬がないですね。

 

何かに心を奪われた目

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

「子供の頃、レーサーに憧れて、私はチームに入った」

 

 シャーレンの回想、子供の頃からの夢だったようです。

 ちなみにこの画像を見て何か思い出す方も居るでしょうか?

 

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

 

 こちらは1話、天晴の回想シーン。同じ表情をしていますね。

 この二人は同じように幼少期に何かに惹かれ、そしてその道を目指して来た人物でした。

 

 しかしシャーレンはレーサーへの道を諦めようとしています。それはなぜか?

 

障害

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

「女はレーサーになれない」

 

 今なら間違いなく差別で訴えられるでしょうが、当時はそんな時代でした。この辺りは時代考証でやります。

 

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

「やめろ天晴。世の中には、お前のように失うもののない奴には、分からない事があるんだ」

「そうか、お前も複雑だな」

 

 天晴の恐ろしい名言の後、小雨が入れたフォローの台詞。

 天晴に対してひどい事を言っているようにも聞こえますが、天晴は全く気にしていないのもいいですね。

 

 ちなみにシャーレンにとってこの「失うもの」とは何でしょう?

 

失うもの

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

「お母さん」

「ん?」

「私が店を継いだら嬉しい?」

「そりゃそうだよ(以下略)」

 

 シャーレンの実家はクリーニング店のようです。両親は家業を継いで欲しいと思っている。この時代では一般的な事だと思います(確証なし)。

 

 ちなみにシャーレンが手にしているのは昼食か何かでしょう、母親が用意してくれたんですね。芸が細かい。

 

 

 今は両親の理解の元、メカニックとして働いているんでしょう。でも親はいつかは店を継いで欲しいと思っている。そんな気持ちを裏切れないという感情がシャーレンにはあるようです。

 差別のようなものから大事にしたいものまで、障害となるものは色々あるようです。

 

 

失うもののない奴の名言

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

「自分がどこまで行けるか、何で他人に決めさせるんだ?」

 

 シャーレンとのやり取りの際に飛び出した名言。ほんとに恐ろしい事をサラッと言いますね天晴は。

 

 これに似た言葉として「自分の価値を他人に委ねる人間は他人に殺される」、というものがあります。

 確かにその通り、他人の目なんて気にするな! ……と簡単に言えればいいんですが、人というのは社会的な生き物です。くだらないものに縛られたり、大事なものの為に自分を縛ったりする。

 

 人とはどうやらその中間辺りでウロウロする生き物のようです。天晴みたいな一部の例外を除けば、ですが。

 

 

 何にしろ、1話で分かっている通りシャーレンもレースに参加します。まだ踏ん切りはついていないようですが。

 

 同じように夢や憧れにとり付かれた人間ですが、片や何もかも失ってこれ以上失うものがない奴、片や社会の常識や大事な家族に囚われた人間。

 この二人が同じ舞台で競い合うというだけで、胸もお腹も一杯になってしまうのは自分だけでしょうか? 天晴とシャーレンは夢を挟んでコインの裏と表のような存在として描かれています。

 

 え、主役? もちろんシャーレンですよ?

 というかハリウッドなら絶対、しがらみの多いシャーレンが主人公になってるはず。

 まぁこれもお国柄ですかね。

 

レースへのハードル

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

「車を作る金はどうする、道もない荒野を走れる土地勘は? 危険地帯で無法者から身を守れるのか。運が良ければロスを出る前にリタイアだ、下手をすれば荒野で野垂れ死にだ」

 

 実は説明台詞なんですが、上手く使われています。

 そしてこの台詞はこれからレースに参加しようというシャーレン自身も超えなければいけないハードルです。これからこの二人はどうやってこれらの問題を解決して行くんでしょう。

 

 でも、頑張れシャーレン! 絶対優勝だ!

 という辺りで記事を終わります。

 

 

 細かな点がいくつか残っているのでpart 2に行きます。2話の主軸な部分は十分書けたのでほんとに細かな点だけですけどね。