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アニメ「天晴爛漫!」 3話の感想、分析

 この記事はアニメ『天晴爛漫!』の3話で、個人的に面白いと思った部分を解説したり分析したりする内容となっています。

 視聴済みを前提で進めるので、記事を読む前に一度観ておく事をおススメします。

 

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

 

 

アル・リオン

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

 

 今回は新キャラのアル・リオンと天晴たちの初めてのカーレース回でした。

 

動機

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

「気合入ってるね」

「もちろん。このレースに勝って、僕がBNWを継ぐのにふさわしい才能の持ち主である事を証明してみせる」

 

 公式のキャラクター情報によるとアルは三兄弟の末っ子。この大会に優勝して父や兄弟に自分の才能を認めさせると言っています。

 

 お坊ちゃんで末っ子なんですが、我儘放題の甘えたキャラではないようです。でも公式サイトには「自分勝手さと非常識では天晴といい勝負」とありますね。

 今回登場したレーシングカーも無理やり作らせた物のようですし、他にも倉庫を貸し切ったりとかなり散財しているようです。レースに出場するのも独断だと考えると確かにかなりの自分勝手さですね。

 

 天晴も好きに研究していたようなので、なるほど確かに似てますね。違うのは親の理解度でしょうか。

 

 

ジン・シャーレン

 前回に引き続いて拳法娘のシャーレンが登場。今もレース場でメカニックをやっているようです。

 そんなシャーレンの元に天晴たちが車の部品を貰いに来てその帰り際のシーン。

 

呪い

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

「不可能だ、お前がBNWに勝つなんて」

「皆そう思ってる、だから面白いんだ」

 

 この台詞、興味深いです。シャーレンは「女はレーサーになれない」と言われて来ました。認めたくないその言葉を噛み締める事で生きて来た。レーサーではなくメカニックをやっているのはそんな未練からです。

 そのせいで他者にも不可能と言ってしまう。自分の中の諦めがつい表に出てしまう。

 

 自分が否定されたり傷付けられた人間はその傷を他人に対して向ける事があります。まるで呪いのように、です。

 

君たちは飛べない鳥だ

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

「その通り。君たちは所詮、飛べない鳥だ」

 

 デュエル(対戦という意味らしいです)開始前、シャーレンがこんな車では勝てない、不可能だと再び言います。これはその後のアルの台詞。

 

 ここ、上手いですね。アルが言っているのは天晴と小雨に向けてなんですが、「君たち」の中にシャーレンも含まれているように感じてしまう。

 事実、この段階で「飛べない鳥」なのはシャーレンでした。あ、小雨もかな?

 

スタート地点

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

「私は、どこまで行ける……?」

 

 レースの解説は後日に回します。

 天晴たちが文字通り飛んで勝利し、その後のシャーレンの台詞。「不可能」だと思っていた事が可能になって、自分にも出来るかもしれないと変化する。

 

 ここの描写は短いですが非常にいいです。うつむいていたシャーレンがが空を見上げ、そして前(現実)を見て走り出すという形で心情が表現されています。

 これでシャーレンもスタート地点に立ちました。天晴たちでいうとアメリカに着いた辺りでしょうか。ここからどうやって車を用意してレースに出場するのか?

 とその辺りの奮闘は次回予告にチラっと映っていたりします。

 

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

 

 早く4話を見せろぉ……!

 

三者三様

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

 

 天晴とシャーレン、そして今回登場したアルですが、それぞれに何かにとり付かれた人間のようです。天晴は蒸気機関、シャーレンはレーサー、そしてアルは車そのものでしょうか。

 それが環境の違いによって大きく変わってしまった。周囲の理解を得られない天晴、女性の認められない時代に生まれ親への義理もあるシャーレン。アルは一番恵まれているでしょうか。

 

 個人的にはこの三人は夢にとり付かれた人間の三タイプと解釈しています。それぞれに境遇は違い、目的とする事は違うけれどレースに夢を託している。

 面白い配置ですね。あ、違ったらすいません。

 

 では、他の人物たちはどうなのか?

 

小雨とホトト

ホトトの悪夢

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

 

 銃で撃たれる先住民族たち、ホトトが見た悪夢のシーンですが実際にあった事でしょう。「実際に」というのは歴史上の事実を含みます。

 西部劇で知られる西部開拓時代を舞台にしたジャンルがありますが、当時にどれだけひどい事が行われていたかというのも明らかになっています。

 

 その辺りの事は各自で調べて貰うとして、この悪夢やその後の台詞で分かったのはホトトが父親の復讐の為に旅をしているという事です。

 

弱い侍

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©2020 KADOKAWA/P.A.WORKS/天晴製作委員会

「子ども扱いするな、弱いくせに」

 

 2話の終盤でホトトを助けに行った小雨ですが、刀を抜けずに固まってしまいました。その様子をしっかり見られてますね。

 

 小雨のトラウマや過去については今後明らかになっていくでしょうが、この二人のコンビは興味深いです。

 

戦いに関わる人間

 親を殺されて復讐に生きる子供と、親を殺されて刀が抜けなくなった侍。年齢は違いますが対比になっているのが分かりますね。

 この作品の人物はかなり計算されて配置されているようで面白いです。他のレーサーたちも車の運転より荒くれ者といった面子が多いようなので、その辺りも見所になりそうですね。

 

 小雨は刀を抜く事が出来るようになるんでしょうか? そしてホトトは復讐を果たす事が出来るのか? もしくは復讐を果たすんでしょうか?

 

 

 3話の主要な部分はこれで終了。残りのレース部分はpart2に回します。