アニメ「天晴爛漫!」 3話の時代考証
専門家でもない人間がアニメ『天晴爛漫!』の気になった部分についてあれこれ調べながら書く記事です。
興味のある方はお付き合い下さい。
食べ物
フライドポテト?
3話の序盤でホトトが天晴に「食っていいぞ」と言われた食べ物。
これは2話の終盤前に天晴が食べていたので気になってました。
この画像によると屋台で買った物のようです。紙袋一杯に入っているのでかなりの量ですね。
ちなみに看板がいくつかあるので拡大してみました、すると左から「HOT FRANKFURTER 3¢ each 2 for 5」「FRENCH FRIES 5¢」「LEMONADE very delicious 2¢」とあります。
FRANKFURTERはフランクフルト、フレンチフライはフライドポテトのアメリカでの呼び方。レモネードは有名ですが、この時代からレモネードの屋台があったのは驚きです。
ちなみに¢はセント、最初はドル($)だと思って書いてました。危ない……。
調べたらこんな記事があったので貼っておきます。
最も有名なものが、トマス・ジェファソンのお話。トマス・ジェファソンは18世紀後半にヨーロッパを旅行中にフライドポテトを食べていたく気に入った。そこでレシピをアメリカに持って帰って、ホワイトハウスのシェフに同じものを作らせた。実際に1802年に「フランス風のポテト」というメニューがホワイトハウスの夕食に登場しています。
アメリカでフライドポテトをフレンチフライと呼ぶようです。その理由の一説がこれなのだとか。
酒
3話の序盤でサウザンドスリーの一人、ヴィランが飲んでいる酒。これを見て、当時飲まれていたお酒はどんな物だったんだろう? と思い調べてみました。
こちらのサイトはウエスタン・サルーン(西部劇に出て来る荒くれ者たちの酒場)についての記事です。
西部開拓時代は1860年代から1890年とされています(wiki調べ)。その頃に飲まれていたのは主にウイスキーだったようですね。
他にも興味深い点があったのでリンクを貼っておきますが、今後もしかしたら作中で登場するかもしれません。田舎に行けばウエスタン・サルーンが残っている可能性もあるので。
その時にはまた参照させて貰います。
南北戦争後には連続式蒸留機と呼ばれる大量の蒸留を可能とする装置が普及し、生産量が増大した。
南北戦争は1861~1865年となっています。
ウイスキーの原料は大麦・ライ麦・トウモロコシとなっているので、恐らくですが当時のアメリカで最も普及していたお酒はウイスキーだと思います。
禁酒法時代の影
しかし今までのリンク先でも触れられていましたが、この後アメリカは禁酒法の時代に入ります。
法律自体の施行は1920年。なのでその影響が作中に現れるかは分かりませんが、禁酒運動はその前から何度も起こっていたようですね。
禁酒法に与する勢力は1840年代から1930年代への州における地方政治の重要な勢力であり、民俗宗教的な性格を持っていたことが多数の歴史研究によって示されている。
民俗宗教は民間信仰と同じ意味。キリスト教は飲酒を禁止していないようなので、共同体や人の間で何となく信じられているという感じでしょうか。
1900年前後というのはその周囲に歴史的なビッグイベントが沢山あったようで興味深いですね。
ホトトの復讐
前の項目で書きましたが、西部開拓時代はおよそ1860年代から1890年とされています。しかしこの作品の舞台は1900年前後のアメリカです。
回想のシーンでもホトトの見た目は現在のものとほとんど変わりがありません。長くて数年前といったところでしょうか。
西部開拓時代に移民たちが原住民にした行為はそれなりに有名ですが(アメリカでも問題になってました)、作中のこの事件が起こったのは更に後の時代と考えるべきでしょう。
作中の建物や文化的にも西部劇の頃とは一線を画しているように思えます。
なのでこの事件を起こした犯人は虐殺目的でホトトたちの部族を襲ったのではないか。
推測ですが、西部開拓時代に惨殺の味を覚えてそのまま時代の変化についていけずに同じような行為に及んだのではないかと思います。
ですが、この手の推測は良く外すので余りアテにしないようお願いします。
B.I.G.BOSS
三大自動車連合「B.I.G.BOSS」、既に何度かこの名称は出ていますね。この画像によると「BNW」「GM」「Iron Motor Company」という三社のようです。
「BNW」の元ネタは「BMW」でしょう。しかしBMWの歴史を見てみると、設立が1916年となっています。次の「GM」も1908年9月16日。最後の「Iron Motor Company」というのは分かりませんが、全て架空の会社と考えた方が良さそうです。
ちなみにBMWですが、本社はドイツにあります。ドイツの会社だったんですね。
しかしこのアルとソフィアですが、
紅茶を飲んだり、
ゴルフの素振りをしたりと、イギリス人らしき言動がうかがえますね。
服装はセーラー服がモデルになっているようなので調べてみたところ、
セーラー服を水兵の制服として全面的に採用したのはイギリス海軍が最初とされている。
とあるので、恐らくこの二人はイギリス人の設定なのだと思います。公式サイトには「ヨーロッパからはるばるやって来た」としか書いていないのであくまで推測ですが。
レース場
そういえば触れていなかったので改めて触れておきます。
1896年には後述されるサーキット開催の原型ともいえる競馬場を利用したレースが開催される。
元は競馬場だったようですね、それを車のレース場として使っていたようです。
星条旗
それと、1話で触れるつもりだったのが忘れていたのがこちら。
非常に分かりにくいですが、星の数が45個です。
星は独立時の13個から、連邦に州が加わるたびに増やされて現在に至っており(以下略)
wikiによると星の数が45個なのは1896年~1908年となっています。こういう細かいところもちゃんと描写されてますね。
という辺りで終わっておきます。他にも気になる点はあるんですがキリがない。
興味のある方は自分であれこれ調べてみて下さい。歴史旅行のようで楽しいですよ。活字だらけで目まいがする事もありますが……。