アニメ「ID:INVADED イド:インヴェイデッド」 ドグマに呑まれるがどんなものか想像する
10話のラストで主人公の鳴瓢がドグマに呑まれました。
作中で何度か説明されたこの「ドグマに呑まれる」という状態ですが、今のところその詳細は分かっていません。
なのでそれがどんなものなのか想像してみようという試みです。
作中での説明
10話の説明
「自らのイドの中で自分を思い出して、自意識が無意識の侵略を始め、それから逃れようとするイドが嵐を引き起こす」
「鳴瓢がドグマに落ちます……!」
2話での説明
「イドは無意識からの産物だ。イドに潜る事はつまり、無意識を意識する事だ。あくまでも理論上だが、イドはその意識の侵略から逃げようとするように、自らを不可視化しながら膨張すると考えられている。嵐が起こるようにな」
何やら分かったような分からないような説明です。なので少し噛み砕いてみます。
BL風に例えると
意識と無意識の関係
誰よりも近い距離に居て誰よりもあいつの事を良く知っている。あいつは俺の親友であり仲間だ。
もっと一緒に居たい、叶うならそれ以上の関係に……! だがあいつはノーマル、俺のような存在を好きになるはずがない。
この関係を意識と無意識とします。「俺」である「意識」は、「無意識」である「あいつ」が好きで惹かれるけれど、決して一つにはなれない。そんな悲しい運命です。
仮に想いが通じて恋愛関係になったとしても、今の法律では結婚を許されていません。どこまでも一つになる事は出来ない関係なのです。
ドグマに呑まれると……?
だが俺は気付いた、あいつは決して彼女に全てを許していない。どこかで距離を取っている、だからきっと俺の方が上だ。俺の方があいつの事を良く知っている、当たり前だ。
そうだ、あいつはきっと天使なんだ。愛の天使、キューピッド。だからどちらの性別でもないし、煩わしい地上のシキタリに押さえ付けられる事もない。
そう、あいつは宇宙人。宇宙の真理。何者にも捕らわれない俺の小宇宙(スモールコスモ)。
無意識が膨張してます。好きという気持ちが妄想と入り混じっておかしくなってます。
このように捕まえようとする程に無意識が変質してつかめなくなる。これが「ドグマに呑まれる」という状態ではないかと想像します。
妹萌え風に例えると
俺は妹が好きだ。物心が付いた時には、いやきっとその前から。
妹も俺を愛している。最近は「キモイ」だの「同じ空気を吸うのもイヤ」だのと、新しくツンデレ属性を覚えたらしい。そんな兄の需要にも的確に応えてくれる俺の妹は世界で一番の妹だ。
まさに完璧、妹さえ居れば他に何も要らない。スマホと月額利用料とPS4もあれば他に何も要らない。
しかし最近知ったのだが、妹とは結婚が出来ないらしい。なんだと……? 意味が分からない、そんな法律は狂ってる。俺が正す、そんな間違いは俺がこの手で正してやる!
ドグマに呑まれると……?
俺は当選した、この社会に疑問を持っていたのは俺だけではなかった。古い慣習に立ち向かおうとする人たちの支持を得て、俺の人生は新たなステージへと移行する。
変化は必然だ、権利は勝ち取らねばならない。新たな協力者と共に……!
え、妹? あいつはその辺のバカな男に捕まって家を出た。元気にやっていれば今頃は二児の母だろう。そんな事はどうでもいい。俺にとっては変化こそが妹だ、俺はこいつと添い遂げてみせる!
はい、ちょっと遊んでます。
すいません。
もう少し突っ込んでみる
「ドグマに呑まれる」のは自分の意識と無意識の対決、もしくは混乱です。なのでこの例えをもう少し変えてみましょう。
求めてやまない「あいつ」は実は自分自身の中にある幻影だった。愛する妹は実は女装した自分自身だった。
ひどいオチです、まるで夢オチのような最初から何もなかったような終わり方です。
しかしそれだけではない。無意識は次々と新しいネタを仕入れて意識を騙してきます。
「あいつ」は俺という世界の高次元体、異質な存在。だから決して幻影ではない、これこそが真実の愛なのだ。
仮に妹が俺の女装した姿であっても、付いてないより付いてる方がいい。鏡にキスすればいいし何なら鏡に穴を開ければいい。
集合的無意識
ネタは尽きない、様々な方法で無意識は逃げ、そして意識はそれを支配下に置こうとする。その時にこれらのネタはどこからやって来るのか? 無意識であるのに自分の知らないような発想や事実が含まれている、これは一体なんなのか……?
個人のコンプレックスより更に深い無意識の領域に、個人を越えた、集団や民族、人類の心に普遍的に存在すると考えられる先天的な元型の作用力動を見出した。
意識と無意識の嵐がこの集合的無意識とつながっているかもしれない。あくまでこれは仮説です。
だとしたら、「ドグマに呑まれた」人間は自分の意識・無意識だけではなく、何かとてつもない世界の真理に辿り着いてしまう可能性がある。
心理と真理。ただそれは殺人鬼のイドや恋愛衝動を含む危険な世界であるのは間違いないでしょう。
そしてそこにはきっと、「溶けた」存在である飛鳥井木記も存在しているはず。
と、あれこれ書いてみましたが、当然ながら合っているかは分かりません。まぁいつも通り間違っているでしょう。
でもこのアニメ、犯人やオチが分かる前にあれこれ妄想するのが一番面白いと気付きました。なので懲りずに色々試してみたいと思います。
これも決して読みやすい記事ではないし、滑ってる可能性も強いんですが、チャレンジは大事。余り読み返さずに投稿したいと思います。