アニメをっち

アニメの感想、持論などを好き勝手に書いております

アニメ「慎重勇者 ~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~」8話についてもっと慎重に語る

  『慎重勇者』8話についての少し突っ込んだ記事となります。

 特に8話が関係ない内容も含まれます。

 

 扱うのは下記の三つ、ぐらい。

  • 気になった細かな点
  • コメディ・シリアス問題
  • 勇者と騎士道

 

 後半の二つはちょっと面倒な話になっているので読む人を選ぶかもしれません。

 

 ではまず気になった点です。

f:id:woti-samurai:20191207183424p:plain

(C)土日月・とよた瑣織/KADOKAWA/慎重勇者製作委員会

 画像だと分かりづらいですが、女神の翼が動いていません。移動する時はしっかり羽ばたいているのに、浮いている間は動かないんですね。でもハエの方はちゃんと動いているという。

 作画ミスとかそういうのではないようです。設定上、何かしらの力で滞空するのに翼は使う必要がないようになっている、と考えた方が良さそうですね。これは勇者が翼もないのに飛んでいる理由と同じなんでしょう。

 原作では何て書いてあるんでしょうね? まぁファンタジー世界なので魔法の力とかそういう類のものでしょうけど。

 

 

 次に、OPの女神たち。

f:id:woti-samurai:20191207184048p:plain

(C)土日月・とよた瑣織/KADOKAWA/慎重勇者製作委員会

(画質が悪くてすいません)

 

 OPを確認すると女神たちが踊っている部分があります、3人×2回登場するので六人。まだ登場してない女神は上の画像の左端の一人だろう。……と思ってたんですが、これってアデネラみたいですね。変身後、というか乙女化した時の。

 ならこれで全員登場した事になります。

 

 現在、勇者が垂らし込んだ女神は二人になるんでしょうか。「なろう系」と言われるジャンルなら主人公の取り巻きの一人になって、毎回一言二言話すだけのキャラと化すんですが、このアニメは違うようですね。

 まぁ、また登場するのは間違いないでしょうけど、一体どんな形で登場するんでしょうか。非常に楽しみです。

 

 ついでにOPの比較動画があって、面白かったのでリンクを貼っておきます。1話~4話のOPと5話のOPの比較ですね。

www.nicovideo.jp

 四天王が順番に登場する部分で、最初はシルエットだったのが登場に合わせて絵に変化する。これには気付いてたんですが、女神たちもそうなっているようです。他にも光やエフェクトも変わっているようですね。

 

 

 

 

 ではここから面倒な話に入ります。

 まず、コメディ・シリアス問題。

 

  「コメディだと思って観てたら、人が死んでて引いた」

 知り合いが言ってた言葉です。油断して観ていたら人が死ぬシーンに驚いて、もう観れなくなってしまったそうです。

 

 この作品、コメディ作品じゃないんですよね。具体的に言うと、コメディの世界のお約束で出来た世界ではない。世界観と人物を別に観るべきだと思うんです。

 「人間喜劇」と勝手に呼んでますが。検索の結果、違った内容しか出て来なかったので説明します。

 確かシェークスピアの作品解説で「人間悲劇」という言葉を見た覚えがあります(これも検索したら出て来なかった)。悲劇世界の悲劇ではなく、悲劇的な思考の持ち主が悲劇的な展開を自ずと選んでしまい、悲劇的な結末を迎える、というもの。

 人間喜劇はこの逆です。喜劇的な人物がそういう展開を選び、結果として滑稽な物語になる。

 

 映画の『ライフ・イズ・ビューティフル』を挙げると理解して貰えるでしょうか。

ライフ・イズ・ビューティフル - Wikipedia

 世界は圧倒的に絶望で満ちているのに、知恵と人間性でそれを跳ね除けてしまう、そんな話ですね。

(というか今期に似たタイトルのアニメをやっているせいで時折この映画が頭に浮かんでしまう……。まぁ例えとしてそんなに間違ってないだろうからいいけど)

 

 だから『慎重勇者』はコメディ作品でありながらご都合な世界では(そんなに)なく、人も死ぬし。むしろそれ以上にハードな世界なんだけれど、キャラクター(人間性)によってコメディーになっている。

 そんな作品だと思います。

 

 

 

 

 次に、勇者と騎士道。

f:id:woti-samurai:20191207185757p:plain

(C)土日月・とよた瑣織/KADOKAWA/慎重勇者製作委員会

 「真の勇者は正々堂々、敵を討つものだ」

 犬騎士、じゃなくて姫騎士のセリフです。ニコ動ではすっかり嫌われてしまってますが、このセリフは的は得てるんですよね。

 

 勇者は敵であるベルブブを見つからないように狙撃しようとしていました。騎士道的にはタブーでしょう。

 一応、検索してみたところ。

騎士の決闘方法

騎士といえば「一騎打ち」

騎士道精神!レディ・ファーストに繋がる紳士の美徳! - 知命立命 心地よい風景

騎士たるもの、敵に対しては1対1で戦うべし

 等の記述がありました。不意打ちなどもっての他でしょう。

 

 大人になってから仮面ライダーにハマって、今でもたまにニコ動の東映チャンネルで観ていたりするんですが(毎週、動画が更新されて一週間無料視聴可能!)不意打ち・人質等の卑怯な手段を使うのは敵の常套手段です。

 それに対して主人公は正面から向かって行って、名前を名乗ってから戦う。これが基本ですね。まぁ例外の話は結構あるんですが。

 

 ここで疑問に思うのは、正義は戦い方なのか結果として勝った方が正義なのか、という問題です。

 過程か結果か、たまに見かける努力か結果かみたいな議論ではありますが。

 (話の面倒な方は改行後の「結論を言うと」まで飛ばして貰って構いません)

 

 個人的に好きな言葉で「正義は忍耐に宿る」というものがあります。物事に向き合う姿勢、忍耐を持って接する者に正義は宿るという考えですね。正義を定義した言葉として素晴らしいと思っているんですが。

 その反面、勝てば官軍というのもあります。歴史は勝者が作る、というのも似た言葉ですね。

 ならやっぱり、勝った方が正義なのかと。他にも有名なセリフで「勝てばよかろうなのだァァァァッ!!」と言った方が居ますね。残念ながら負けてしまいましたが……。

 実はこの手のセリフは悪役の専売特許だったりします。

 

 しかし勇者を卑怯だというコメントはニコ動では見当たりませんでした、検索しても同じようですね。

 つまり勇者のスタンスにも一理ある訳です、どちらが正しいという訳ではない。

 

 

 結論を言うと、状況によって違う、という事でしょう。

 基本的に卑怯な手段は褒められたものではない。社会・もしくは人の集まりにはルールがあって、それに従わない者は非難される。半グレがいい例ですね。お金を稼ぐのにルールから外れた方法を使っている。

 ではどういう状況なら許されるか? それは、後がない・切羽詰っていて結果を出さなければいけない時、だと思います。

 ここで負ければ家族が殺される、大事なものを失う事になる。それなら手段を選んでられない、というパターンです。

 他にも敵が卑怯な手段を使っているのだからこっちが使っても構わないだろう、というもの。ルパンが強盗をしても許されるのは、盗まれる相手が違法な手段で金稼ぎや高価な品を収集しているからです。

 

 何にしろ、今の時代にはこの勇者の価値観を支持する人が増えているように感じます。それだけ価値観が多様化したのかそれとも切羽詰っているのかは分かりませんが。

 それが良い・悪いという訳ではなく、どちらが絶対という訳ではない。と、それだけ言えれば満足です。

 

 

 

 後半、文字だらけになってしまいました。画像を張りたかったんですが映画や漫画のコピーライト表示(著作権のあれ)が分からなかったので断念。