アニメ「アフリカのサラリーマン」であれこれ思うこと
今期の癒し枠です。
……ん? 異論は認めるが聞く耳を持たない。
このアニメについて、直接的にではないですが思う所がいくつかあったので書いてみます。
・多様性について
・これぞ日常系
まず多様性について。
擬人化ではあるんですが、それ故にキャラクターの違いがハッキリと描かれています。
鳥だから仕方ない、とか。だってあいつトカゲだもの、といった結局は違う生き物だから、という諦めのような許容。違いがあるのが当たり前、違っているから全ては分かり合えない、でもそれでいい。
という多様性の部分にこの作品がどこまで踏み込めているかは分かりませんが、サラリーマンといえばスーツ姿のステレオタイプで描かれる作品からは大きく進んでいると思われます。
まぁ腹の底は知れないという点では「BEASTARS」の草食系と肉食系の壁の方が大きいんですが、残念ながら観れる環境がないんですよね。作品の概要は聞いていたので楽しみにしてたんですが。
次に、これぞ日常系。
日常系と言えばゼロ年代から始まる、女子高生たちが他愛もない話をして仲間だけの楽しげな学生生活を送る、というもの。
でも、果たしてこれは日常だったのかと。
男は出て来ないし学校にあるはずのスクールカーストも見えて来ない。親が居るのかどうかも分からなし、居ても同じ顔をした可愛いお母さんが出るぐらい。そして仲のいい女の子たちがキャッキャウフフしているだけの映像が延々と続く。
付け加えるなら、それをニヤニヤしながら見ている男たち(俺を含む)という構造。
こんなの非日常そのものですよ。ある種の現実逃避であり砂漠の中で見たオアシスの蜃気楼。
なので、その後に始まるひたすら俺TUEEしてハーレムまみれになる異世界物が来るのも必然だったように思えます。非日常からの異世界突入。
まぁそれだけ今の社会が生きづらくなっている事の反映なんですけどね。
ちなみに現実逃避が悪いと言っているのではなく、用法容量を守ってほどほどにね☆
と、そう言いたいだけです。
そんな日常系作品が今も続いていますが、違った作品群も出て来ています。男だかオスだかが主人公で、更にその周りにも特に可愛げのないキャラだらけというような。
「ガイコツ書店員本田さん」「ビジネスフィッシュ」、その前に「SNSポリス」もありましたっけ? 個人的に知ってるのはこの辺りですが、その前にもいくつかあったんでしょうね。
共通点といえばCGアニメとコメディーぐらいでしょうか。それと扱っている内容が余りに世俗的な点、辺りかな。
漫画ならそれなりの量があるんでしょうが、アニメの中では異色であり一つのジャンルに分けても問題ないでしょう。
見た目はどうであれ、この俗っぽいところ。可愛げはないけどクセの強い連中が集まってギャアギャアやっている姿は女子高生のキャッキャウフフよりもよっぽど日常系、というか日常的なんじゃないでしょうか。
今後このジャンルの作品枠が増えて行くのかは分かりませんが、クレしんのような少々お下品で優等生じゃない作品を愛する者としては今後もヒッソリ応援していきたいと思います。
余り萌えを理解していない人間なので、こういう作品でないと癒されないんですよね。
ほんと、直ぐに消えてなくならない事を願うばかりです。