アニメをっち

アニメの感想、持論などを好き勝手に書いております

アニメ「本好きの下克上 司書になるためには手段を選んでいられません」 7話まで観た感想

 1話を観ての感想はこんな感じでした。

 

woti-samurai.hatenablog.com

 

  ではまず、このアニメってどんなアニメ?

 

──現代社会に居た本好きの主人公が中世的な異世界に飛ばされ、それでも本が読みたいと子供の体ながら一から本を作ろうと奮闘する話

 

 ここまでの話は?

 

──主人公が本を作る為にまず紙を作ろうとあれこれ試すがことごとく失敗、なので今度は商人相手に紙作りの材料集めや製法の取引をしているところ

 

 

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©香月美夜・TOブックス/本好きの下剋上製作委員会

 特徴的なのはまず絵柄。

 世界名作劇場と何度も言われてますが、恐らく制作者も意識してやっているでしょう。内容的にも子供が困難に立ち向かう話なのであながち間違ってはいないですね。

 やはり「異世界名作劇場」だった。

 まぁそんなに異世界感は無いんですが。

 

 それから知識チート、と最初は言われてました。

 でもこれってどうなんでしょうね、知識の力で何かを成し遂げたというのは今のところありません。せいぜい取引の道具に使った程度でしょうか。

 それ以上に子供の体、更に病弱さのせいで行動に制限があり、チートどころか7話にまで来て紙の一枚も作れていない。

 知識を持っているけれどそれほど役に立っているとは言えないですね。

 

 これが良くあの「なろう」でヒットしたものだとつくづく感じるんですが、「なろう」も一枚岩ではないという事でしょうか。

 

 そういえば今までは知識を使って一人で紙を作ろうとしてたんですが、それが商人相手になって取引が中心になった。この変化も大きいですね。

 ここからますます大人とのやり取りが中心になっていくと思われます。

 

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©香月美夜・TOブックス/本好きの下剋上製作委員会

 

 そしてここですね、大人の社会と子供の社会がちゃんと分けて描かれている。

 これって当然の事に思えるかもしれませんが、作品によっては大人も子供の論理で動いていたりします。某カードゲームのアニメで世界征服を企んでしまう社長とかは正直発想が子供のままです(ちゃんと観ていた作品ではないので間違っていたらすいません)。

 一つの社会を描くにはそれだけ色々な価値観を作品に取り入れる必要があるんですが、残念ながら全ての作品がそうなっている訳ではないです。

 原因は作品上必要ないと判断さた、もしくは作者さんが意識していなかったりと様々でしょうが……。

 そういう意味でもこういう作品が受けてアニメ化までされたのはいい傾向だと思います。

 

 

 家族であったり周囲の人間関係をしっかり描いているのも特徴ですね。

 親子関係、姉妹関係、そして今は友人関係でしょうか。それらが変化して再び固まる、という経過がくどくない程度にちゃんと描かれています。

 

 そして遂に出て来た魔法の存在。

 それを聞いてウキウキする主人公ですが、その魔力が自分の体を蝕んでいるとは思いもせず……。

 いい対比ですね。皮肉って言うんでしょうか?

 

 ぶっちゃけこの作品って異世界ものじゃなくて過去へのタイムスリップやファンタジーでも成立した話じゃないかと思います。

 要素を少し入れ替えたら普通に児童文学で通用しますよね?

 

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©香月美夜・TOブックス/本好きの下剋上製作委員会

 

 全体を通して非常に丁寧な作品だと思います。観ていてなぜか落ち着くんですよね。

 主人公が良く倒れるので驚きますが、それも精神と体の不一致(中身が違うから)と本への情熱ありきなんでしょう。

 製作陣は二期を狙ってると思いますが、はてさてこのワンクールはどんな絞め方になるんでしょうか。