作者が透けて見える二つの原因
少し前にあったはてな匿名ダイアリーの記事。
これ、アニメを観ていても感じる事があるんですよね。今期アニメだと『私、能力は平均値でって言ったよね!』辺りでしょうか。
主人公は前世も転生後も女子高生くらいのはずなのに、妙に古いネタ(CMネタとか)を知っていたりする。
歳を考えるとおかしいし、違和感を感じるのも仕方がないかなと思います。中のオッサンが透けて見える、とニコニコのコメントでも突っ込まれてました。
では、なぜ透けて見えるかと言うと原因は二つあると思います。
・設定とのズレ
・読者(視聴者)の先入観とのズレ
まず一点目、設定とのズレ。
さっきの例で言うと、主人公は設定の上では女子高生であるはずです。それなのになぜか知らないはずの知識を持っている。それは恐らく作者が知っている知識であってこのキャラクターのものではない。
そこにズレが出来て違和感を感じてしまう、と。恐らくそういう事じゃないかと思います。
ただ、人によってこのズレを感じる感じないというのがあって、その理由が二点目。
読者によってはそういう女子高生、つまり古いネタを沢山知っている女子高生を知っていたり、そんな女子高生が居てもいいと思っていたりする。むしろそんな女子高生が好き、とか。
受け手側によっても変わって来る訳ですね。それは読者の経験であったり知識であったり、はたまた好みや許容の問題であったりもします。
基本的に創作物は作者の自意識によって作られているので、作者が見えるのは当然と言えます。しかし、最初から作者の事を見ようと思ってフィクションを楽しむ人はまれでしょう(一部の研究者や創作サイドの人間ぐらい?)。
なので、作者が居るのは当然として受け手は基本的にその存在を意識せずに作品を楽しみます。
楽しむ事を前提とするなら作者の存在は意識の外にあるものだと思いますが、それがちょっとした違和感によって目の前に現れてしまう。
問題はきっとそこにあるんじゃないでしょうか。
なので、作り手はキャラクターを中心に行動や台詞を考える。受け手は創作とはそういうものだ、という前提を元に楽しむ。
対策としてはこれぐらいしか浮かびませんが、作者の顔が見えないぐらい作りこまれた作品があるのもまた事実です。五年十年経っても名作と言われる作品はそうなのではないでしょうか。
でも、そういう名作にも作者の顔を感じる人はやっぱり居るんでしょうかね?